「良い週末を迎えていると…良いんだけどねぇ…。
くく…。
盗まれて、一枚なくなっている…そう思ってベランダを開けたかな…?
三枚とも確認できた時はがっかりしたかい…?
そしてどんでん返しのように白い液体で染まった下着を見た時…、どんな気持ちになったかな…。」
昨夜、大胆にも現地で欲を満たした男は帰宅後連日の興奮も相まって、早々に眠りについていた。
目が覚めたのは昼前、ちょうど久美子が下着の存在を確認している頃だった。
何気なく窓の外を見ながら、今日の久美子を想像した。
年頃の女の興味本位の行動…などではない。
若いと言われる歳は少し過ぎ、ある程度の人生経験を経てきた女が下着泥棒という元来の女の敵に応えてしまうような狂った行動。
そんな行動に出る女自体、居ないわけではない。
しかし男にとっては貴重な存在。
どこまで狂い、堕ちてくれるのか…、楽しみたいことに変わりはない。
とはいえ…。
(連日のようにやり取りが続いては、もはや当然見たくなってしまうな…。
少しじらしてやろうか…。)
そう思いにやりと笑みを浮かべた男はスマホを握る。
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『こんにちは久美子。
特に用事があるわけじゃないんだけどね…。
その、貴女に下着泥棒の話…したじゃない…?
あの日から、盗まれなくなったの…といっても二日間だけなんだけどね…。
これまでは毎日のように、一日空いても二日目には盗られてたから…。
盗られない日が二日続くなんて、ちょっと驚いちゃって…。
久美子が助けてくれたのかな…なんて思っちゃった。
久美子だったら、真面目だし、カッコいいし、すぐに警察に相談とかしてくれそうだから…。』
下着の確認後、興奮と快感の波に飲まれそうな久美子の下へ、発端とも言える相談をしてきた雅美から連絡が入る。
しかもその内容…。
相談した日から二日間被害がなかったという。
その日は、何気なく久美子が下着を外に干してしまった日…、
そして被害がなかったと言われた二日間は、久美子が下着に悪戯をされた日でもある。
確証はない。
しかし、そのタイミング。
そして雅美とは住んでいる場所も遠くはない、位置関係。
互いに住んでいるのはアパート…そして一階。
そもそもベランダに下着を干すような女性がそんなに多くいるとは思えない。
消去的に、ある事実への予想が進んでしまう。
同一犯の可能性。
そしてそれが事実であるならば…。
自分が被害にあうと言う事は、雅美が被害にあわないと言う事…と考えることができる。
雅美を守るために…?
と同時に、過る雅美のあの時の表情…。
どこか赤らんで、恥ずかし気…、しかし、被害にあっているというよに辛そうには見えなかった…、その理由が…。
同一犯の可能性と同時に、同癖の可能性まで過ってくる。
『1か月近く続いていたから…、なんか気が抜けちゃった…。
怖くて通報とかできなかったから…、それが泥棒さんを調子に乗らせちゃったのかな…。
どんどん大胆になっていくし…怖かった…。
本当にタイミングが良くて…、見られてるんじゃないかなって思うくらいだよ…。』
調子に乗らせる…エスカレート…。
何より、無意識か、泥棒に「さん」まで着ける始末。
挙句は見られているかもしれない…とまで。
雅美の言葉一つ一つが、異様な性的興奮に狂わされつつある久美子の脳裏をぐちゃぐちゃにしていく。
こんな思いを雅美は1か月もさせられたのか…、いや、させてもらえたのか…。
エスカレート…、もっと卑猥で厭らしい状況になっているかもしれないのか…。
もしかしたら、汚されていない下着などもうないのではないか…。
そんなことを思わせるように。
覗かれているかもしれないという懸念は同時に、下着の所持者の情報を持っている可能性を示唆する。
幸か不幸か、雅美は久美子より少し若くまだ30歳にはなっていない。
そして身長は少し低く、久美子に比べるとやや華奢に見える。
といっても、スレンダー…という域を出ることはなく、どちらかと言えば小柄なモデル体型というだろうか。
ジムに通う久美子も決してスタイルが悪いわけではないが、
男の好み、あるいは年齢的な部分では敵わない部分を確実に持っている女だった。
『久美子も気をつけてね…?』
そんな心配する言葉がどこか、私より年上の貴女が被害に合うことはないでしょうけど…。
等と言われているような気さえ起こる。
そしてそんな懸念を現実にする言葉が、その翌日…。
『久美子…やっぱり駄目だったみたい…。
泥棒さん…、昨日は着てたみたい…。』
二日続けて被害に合った久美子、そして迎えた三日目は訪れた形跡もなく。
その翌日、雅美から再び被害に合った連絡を受けた。
盗られた、という連絡ではなく、来てたみたい、という表現、今の久美子には少し心当たりがある表現だ。
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