「へぇ…この時間に帰ってくる感じなんだ…。
結構頑張ってるんだね…、ってことは、やっぱ学生さんの一人暮らしって言うよりはちゃんと大人ってことかな…。」
昼過ぎに返却した後、男は一度帰宅。
そして恒例ともいうべき、獲物のその後を確認する為に今度は車に乗って近くまでやってきていた。
日も落ちた19時過ぎくらいから張り込むように久美子の部屋のベランダが見える位置に陣取って見つめながら、軽く腹に物を入れながらのんびりと帰りを待つ。
別段用もなければ、焦る理由もない。
時間を無駄にしている感覚など一切なく、スマホを触りながらのスタンスは久美子に対して、に限った話ではない。
そんな最中、21時を過ぎた頃ぱっと部屋に明かりが灯ったのが見える。
標準的な時間なのか、あるいは今日が遅くなっただけなのかを知る術はなかったが、男にとっての一つの目安となる。
「今頃、返却物を確認して…どんな気持ちになっているんだろうなぁ…。
そんな気持ちを想像するのも楽しいんだよな…。」
と、明るくなった部屋の方を見ながら楽しそうにつぶやく。
ちらつく影がカーテンに映ってるのが見える。
もう見たのか、見てもなお動揺が止まらないのか…。
男なりの経験則があった。
盗まれた下着、それが返ってくる、しかも男の欲に塗れて汚された状態で。
それを目にした女の反応は概ね3つに分かれる。
ひとつは完全否定。
男の欲に塗れたモノなど、下着に関わらず汚物そのものという考え方。
完全に密封してすぐにでも処分となるだろう。
場合によっては、警察に通報。
それこそ精液はもちろん体液の一種。
前科のある者が事に及んでいれば一発で特定され、お縄につくことになる。
しかし、ここまでできる女はそうはいない。
それほどまでに否定できる女は下着を外に等干さないし、そもそももう少し防犯設備が整った部屋に住むだろう。
ではほかのケースはどうか…。
心を許せる友人、知人に相談するケースが多い。
下着泥棒の被害にあったことを打ち明け、被害者面。
困っている…、ショックを受けている、どうしていいかわからない…。
といった風だ。
とはいえ結果的に、無防備に下着を外に、盗られる可能性のある場所に出してしまったことにも問題がある、と片付けられてしまって事は終わる。
最後のケースは…。
見知らぬ男の欲望の香り…に毒されてしまうケース。
欲求不満…性的な興味…、刺激などが相まって、非現実な現状とシンプルに自分に向けられる性的なアプローチに心が囚われるケースだ。
雄の匂いが身体を突き抜け…、下腹部に疼きを与える。
まるで自分に向けて射精されているかのような疑似体験をイメージ。
その欲望の塊がそこに付着するまでの流れ、行為を想像して。
貪るように自らを慰める…、そう…下着泥棒の虜となるケースだ。
「どんな女かはすぐにわかる…。
あの女と…同じさ…。
只の雌なら…、欲求不満な雌なら…。
また…きっとまた…干すんだろ…?」
始まりつつある下着泥棒との欲望に塗れた地獄とも天国とも言える逢瀬。
「捗りそうだな…?お互いに…。」
そんな言葉を呟く男は今日も、露出したモノ。
竿を強く握り上下させる…大きな透明な粒は鈴口からカリ首へと垂れ滴る。
反対の手にはまた別の女の下着を持ち、変態的…変質者の笑みを浮かべたまま、朱里の灯る部屋の主の動向を見守っているかのように。
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