少し挑発的、あるいは女を下に見たような言い方になったのは、意図的でもあり偶然でもある。
ある一定層しか目にしないようなサイトの書き込み。
その匿名性に大胆になれる部分はありつつも、簡単に投稿を削除することも出来れば、気に入らないコメントに無視を決め込むことも可能。
最初こそ丁寧な方が印象もいいだろうと言葉も選んではいたが、結局、良くも悪くもまともな精神で、日常に不満もない者はそんなところに書き込みなどしない。
ならいっそどこか見透かしたような風を隠さずアプローチする方が、マゾ気質の深層心理に刺さった時、都合がいいと考えるようになったのだ。
「くくっ…、そんなことを言うなら…返事などしなければいいのに…。
結局のところ、気になっていたんだろ?
自分の書き込みは無視されるのか、あるいは反応してくれるのか…してくれるならどんな反応なのか…。」
偶然かもしれない。
しかし、女のレスはこちらのレスから程ない時間で投稿されていたのは事実。
《分かりやすい方ですね…。
興味を持ったこと、それ自体は別に恥ずかしいことじゃないのに…。
知っていますか…?
このサイト、無法地帯になるのを避けるために、特定の検索ワード以外ではヒットしないようになっているんです…。
それ以外はとある雑誌のQRコードを読み込むしかない…。
偶然、たどり着く場所じゃないんですよ…。
まぁいいです…、やってもいないのに何も気づくこともない、なんて決めつけから入る人に、私も用はありませんので…。
別の方からのレスがあるといいですね…?》
「やってもないのに決めつけるな…、そういや課長にもよく言われたな…。
こんなレス、課長なら絶対許さないだろうに…。
ま、強がってるだけならともかく、高圧的な女に興味は無い…。
口調がいきなり変わったあたり、図星つかれて焦ってるだけだろうけど…?」
終わりを感じさせる書き込みをしてもなお、ニヤリと笑みを浮かべたまま。
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