新居は素晴らしいモノだった。
お互いの嗜好を反映させた間取りと内装・・・その上、調度品に至るまで
私の好みを汲み取ってくれている・・・。
ジムもスタジオも、家庭農園も私が手入れをするには丁度良いスケールだ。
ようすけさん「お気に召されましたかな?・・・」
ちさと「ええ、とても・・・ありがとう・・・」
既に全てセッティングされ、荷物も下着くらいが未整理のまま、クローゼットに置かれている。
あとは生活しているうちに整えていけば良い・・・。
リビングのソファーに座ると、長旅の疲れからか眠気に襲われた。
無人島で、人の目を気にしないで良いと思うと、開放的になる。
カーテンも閉めずに、ようすけさんと話しながらコックリしている。
この島は、私達の住宅以外の建物は、背後の森を抜けた海岸に灯台の詰所があった。
昔は灯台守の人が居たようだが、現在では機械化され人は居ない。
しかし、人一人が居住するには問題のない施設がそこにはあったのだ。
電気もガスも無く、水道もあるはずも無くその存在は、ようすけさんは知っていた。
ちさと「あなた、さっき人影を見たんだけど・・・桟橋のところで漁船と・・・」
ようすけさん「あ、それは漁師さんだよ・・・近くに漁場があって、休憩でもしてたんじゃないかな」
ちさと「そ、そう・・・ちょっと気になって・・・」
ようすけさん「大丈夫だよ、フェンスがあるから、人は入って来れないよ、明日朝から島を一回りしてみよう」
その言葉を聞いて安心した。
そのあと、ようすけさんは今日届いた食材で軽く夕食を作って一緒に食べた。
新居で二人の新生活が始まった。
招かれざる客が居た事を私達は知らない。
※元投稿はこちら >>