浜中さんにさそわれるまま、散歩に出た。
二人で島をゆっくり歩くが、私からしたらただのファンの人との触れ合いの様に感じていた。
しかし、浜中さんはちょっとしたデート気分に浸っているようだ。
それでも、単なるファンでは無い、無防備に懐に入られた刺客の様にモノ・・・。
そんな事に気付かず、デビュー当時の事やラジオでようすけさんがゲスト出演した事が
交際に至った事、病気で音楽活動を休止した事など話した。
ファンである浜中さんは知っていたのか、黙って話しを聞いていた。
そして、ここに移住すると決めたのも、子供もてをはなれ、ようすけさんと二人でゆっくりと過ごしていきたい・・・
そんな思いからだとと打ち明けていた。
プライベートビーチの浜辺に着くと・・・
ちさと「ねぇ!あれ見てよ」
海中から突き出した大きな岩が三つ並ぶ光景が広がる。
ちさと「ここから見る景色好きなんだ・・・」
すると、桟橋に船便が来た事を知らせる汽笛が鳴った。
ちさと「あら、荷物が着いたのね、見に行きましょう」
浜中さんの手を掴み引いて桟橋に向かう。
無意識の行動だったが、気を許している事を悟られるには十分だった。
食料や日用品が船から降ろされたていた。
ちさと「うわぁ!こんなに沢山・・・」
私が荷物の量に驚いていると・・・
浜中さん「力仕事なら任せてください、大丈夫ですよ」
そう言って胸を叩く・・・。
荷物を手際よく運んでくれて、最後に降ろされた荷物が降ろされる。
ゲージにに入れられた私達夫婦の愛犬だった。
ちさと「ジュリア!」
私が呼ぶと、ジュリアは大きくシッポを振りながら声を上げる。
ゲージを開けるとジュリアを私は抱き寄せた。
ちさと「ここが落ち着くまで、預かって貰っていたの・・・ねえ、ジュリア」
私はジュリアを撫でながら、浜中さんに紹介する。
人見知りをしない、番犬としてはダメなジュリア・・・。
飼主の危険を察知出来ていないのだった。
※元投稿はこちら >>