「…え?ち、違うの?じゃあ…、どうやって一輝に…?」
一輝に協力させるという発言は、例えばスマホのカメラ持ちをさせるとか、そういうことだと思っていた。
ラッキースケベ…だったのだろうか、今日のあれは…。一輝は巻き込んでしまい、成り行きとはいえ、好きでもない女にファーストキス(?)も奪われてしまって…。
「え、え?学校の前に…?確かに、一輝と同じ電車だけど…、その、ええ…っと…。」
(一輝にバレたら確かに騒がれるだろうし、そうでなくても関係ない他の人に痴漢がバレても通報されたりとかされちゃうかも…。配信だって、夜にしかやったことないし、朝から…。それに、痴漢誘惑に成功したとして、そのまま学校に行くってことでしょう…?うぅ…正直嫌だな…)
匠の提案を聞き、言葉にははっきりと出さないが、渋る雰囲気を見せる芽衣。
夜の配信だと、身体が汚れても1日は終わり。しかし、通学時となれば、その後の生活もある。
ノーブラノーパンで、痴女のような格好をして…、さらに痴漢までされてまともに生活できるだろうか。
「別のことを頑張るから、それは嫌だ」そう言いたいが、すでに何度も配信をトチって迷惑をかけている。
匠が意気揚々と告知をあげている横で、複雑そうな表情で見つめる芽衣。
芽衣の不安そうで本心は嫌がっている様子も匠は理解しつつ、無視していた。
(次、逆らったりしたら別れるって…、言われしなあ…。あの時の匠、ホントに怖かった…。怖いし、正直嫌だけど…、やるしかない…よなあ…)
「う、うん…。私が卒業したら、一緒に住んで…結婚するんだよね…。いっぱい頑張らないとね…、えへへ…。」
複雑な想いだが、二人の未来という言葉を聞いて決意を固める。より過激で、より魅力的な…、実際に顔を晒し危険な目に遭うのは芽衣だけで、仮にトラブルになっても匠はノーダメージ。そもそも芽衣とは結婚する気などさらさらないことなどにも気が付かず、素直に頷いて、承諾してしまった。
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