「千鶴~帰るよ〜」
「ごめ〜ん…すぐ行く〜!」
圭介クンと話しをしている所へ友達から声がかかり大きな声で答え手を上げた。
「ごめんねぇ…行かなきゃ…とにかくこれからよろねっ!じゃあっ!」
昔は千鶴より背が低かった圭介クンでしたが、今は背も伸び身体つきは男の子って感じ…それでも性格は変わっていないようで、少し照れたように目を余り合わせない様子は昔のまま…なんだかそれが妙に嬉しかったり懐かしかったり…
「うん…」と言って背を向けた圭介クン…千鶴はその背中を暫く見つめたあと、友達の所へ走って向かいました。
新学期がはじまると同時に席替えか行われ、千鶴と圭介くは偶然にも隣同士…それをきっかけによく話すようになったのは自然の流れでした。
「お母さんにさ…圭ちゃんとクラス同じになったって話したら…懐かしがってたよ。久しぶりに会いたいって…圭ちやん…よく家にも遊びに来てたもんね…」
会話をする機会も増え、初めの頃はろくに目も合わせてくれなかった圭介クンでしたが、慣れてきたのか少しずつ目を見て話してくれるように
…
幼かった頃、千鶴は圭介クンのことが好きでした。
いつも千鶴のあとをついてきて弟みたいな感じで、甘えん坊ですぐ泣くし…でも活発だった千鶴ご転んだりしてケガをすると自分のことのように心配してくれて…
中
中学生になりクラスも別々だったため疎遠にはなっていましたが、こうして話をするほどに幼かった頃の事を思い出します。
「ねぇ…今日…一緒に帰ろ?美紀…2年から部活が忙しくなるから一緒に帰れないって…だから…いいでしょ?家も近いんだし…」
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