「顔…怖いよ…圭ちゃん…」
圭介クンは、縄跳びを手に千鶴の前に立っていました。
その顔は、興奮しているのか、少し目が血走っているようにも見え、少し茶化し気味に言いました。
一度は、少し落ち着いたものの、さっきの圭介クンの気持ちを聞いて、再びドキドキとしてきたことを誤魔化すつもりでした。
それでも、そのドキドキした気持ちは顔に表れていたかもしれません…
「……いいよ…縛って…」
千鶴は、きのと同じように圭介クンに背を向けます…圭介クンも昨日と同じように身体に縄跳びを巻き付けますが、遠慮気味だった昨日とは違い、思いの外キツい感じでした。
そのキツさは少し痛みすら覚えるほどでしたが、如何にも悪人に自由を奪われているという感じがして千鶴の気持ちを高ぶらせたのです。
背後からは、圭介クンの荒い息が感じられ興奮していることが伝わってきます。
昨日とは違い時間はたっぷりとあり、邪魔が入ることもありません。
圭介クンは千鶴に何をしようとするのでしょうか…夢の中の悪人のように?それとも…
ただ根は優しい圭介クンのこと…興奮はしていても、どこかで千鶴を気遣い遠慮するかもしれません…
圭介クンを家に呼んだ時からある程度のことは覚悟していた千鶴にとって、圭介クンの遠慮は千鶴の願望の妨げにしか成りません。
「ね、ねぇ…圭ちゃん…せっかくだから…子供の時みたいに…私が囚われた正義の味方て…圭ちゃんは悪の怪人…そうなりきってみない?面白そう…じゃない?」
気にいってもらえたようで良かったです。
では当面は2人だけの秘密という体ですすめて行きますが、圭介クンとは1線を越えないところまでにしておきますね。
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