緊縛系の動画を調べ始めていると
「うわぁ、こんなに綺麗になるんだ…」
縄が重ならず整然と並んで女性の身体を這い回っている、きつく縛られている訳でも無いのに縄自体も緩まず縛られている女性も身動き一つ出来ないでいる様だった
かと言って痛くもないみたいで、その表情はうっとりと陶酔している様に見てとれた
その動画を食い入るように見ながら
「凄いな…プロがやるとこんな感じになるんだ」
僕も上手くなったら千鶴にこんな顔させることが出来るかな…なんて考えてると
「圭介~、早く降りてきてご飯食べちゃいなさい」
母親の声に急に現実に戻された
「わ、分かったよ、今行くから」
いやらしい動画と幼馴染に抱く邪まな妄想に思わず焦って返事をしていた
―その夜―
「ククク、ようやく捕らえたぞ…我々の邪魔をしおって、随分と手こずらせてくれたな」
視線の先には縛り上げられた一ノ瀬さんが戦闘員に抱え上げられ、怪人(僕)の前に立たされている
悔しさを滲ませながら睨みつけてくる彼女
「こんなことしても無駄よ、早くこの拘束を解きなさい!」
どこかで聞いたセリフ…ああ、子供の頃にごっこ遊びで捕まった彼女が僕に言ったたセリフだ
「威勢がいいな…顔もどれ…なかなか良いじゃないか。スタイルも申し分ない」
一ノ瀬さんを品定めするかの様に周りを回りながら怪人が話す
「ようし、決めたぞ!貴様は今から俺のモノとなるのだ!」
そう言うと身動き出来ない彼女の胸を鷲掴みにして力任せに揉み始めた
「嫌、や、やめなさい…こんな事して…今に仲間が助けに来るんだから…」
強気を崩さない一ノ瀬さんに対して
「ふん、仲間が来るまでに果たして耐えれるかな?どれ、それまでの間に調教を済ませてやろう」
「う、ああぁ…」
襲い掛かる怪人と悲鳴を上げる一ノ瀬さん…
…なんて夢見るんだよ
一ノ瀬さんを縛ったからか、緊縛の動画を見ていたせいか…あるいはその両方か
またいやらしい夢を見てしまった僕は、興奮したまま寝付けずに朝を迎えてしまった
翌朝、学校で一ノ瀬さんの姿を見たがぎこちない挨拶を交わしただけでまともに喋ることも出来ないでいた
それは一ノ瀬さんも同じみたいで、昨日の事をうまく処理しきれず受け入れるにはお互い少し時間がいるだろうなと思った
でもその間はまた疎遠になるかなぁ…仕方ない、、、よね
帰りもやはり別々、悶々としながら帰宅すると
「圭介、今日お母さんたち出掛けるから一人でお留守番しててね」
聞けば夫婦で飲みに行くとの事、なんと一ノ瀬さん家も一緒に
「戸締りちゃんとしとくのよ~」
それだけ言うとさっさと出ていってしまった
一ノ瀬さんの両親も一緒に行くって事は千鶴も一人なのかな?そう思っているとLINEが入ってきた
『今日、お母さんやお父さんたち皆で飲み会って聞いてる?もし…よかったら…家に来ない?』
その文面を見ただけで心臓が高鳴り「すぐ行く」と短い返信を入れると一ノ瀬さんの家まで走って向っていた
玄関で呼び鈴を押した後、何故か手に握られている縄跳に気付いた
いや、そんなつもりで…なんで手に握ってんの!?
慌て始めた僕の前で玄関の扉がユックリと開く
「こ、こんにちは…」
出迎えた一ノ瀬さんにか細く挨拶をすると部屋へと上げてくれた
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