『急にごめん…ね…おばさん…』
ドアを開け入ってきた一ノ瀬さんの言葉が止まるとなにやら怪訝な表情となってしまい、そのまま部屋の中をキョロキョロと見回していた
僕にはその行為が自分の自慰行為を確認されている様でなんだか落ち着かず、ずっと顔を下げたままでいる
まともに彼女の顔を見ることが出来ない
『あっ…ごめん…うちのお母さんがスイカ持っていけって言うから…』
一ノ瀬さんの言葉が頭に入らず、僕は「うん、うん」と相槌を打つだけだったのだが、そのうち
『座っていい?』
その言葉にハッとなって顔を上げると目の前には私服姿の一ノ瀬さんが立っている
健康的でしなやかな肢体におしゃれな服装が似合っている
制服とは違った姿に思わず見とれていたのだけど、彼女と目が合った瞬間に夢の内容を思い出してしまい再び顔を背けてしまった
自分が怪人で一ノ瀬さんを襲っている内容…
身体中を這い回った縄に絡めとられ自由を奪われた彼女にユックリと近付き、スカートから伸びる脚へと手を這わせる…
嫌がりながらも抵抗出来ない彼女の衣服を引き裂き、露になった乳房へと吸い付くと悲鳴が徐々に甘い喘ぎ声へと変わってゆく
本人を前にしてそんな内容を思い返していた僕は彼女の話を全然聞いていなかった
『………もしかして…私…何か怒らせるようなことした?』
その言葉に“えっ!?”となって慌てて顔を上げると
「い、いや、、、そんな事…無いよ」
一ノ瀬さんの顔を見ると赤面してしまい、やっとの思いでそれだけ言うと再び俯いてしまう
僕の言葉を聞いた一ノ瀬さんは少しホッとした様子だったが会話しずらい雰囲気は相変わらずでそのまま沈黙が続いてしまう
どちらも言葉を発せず数分の時間が過ぎたとき
『じ、実はさ…あの公園に寄った日の夜…夢を見たんだよね…その夢がさ…そ、その…あの頃のゴッコ遊びみたいな夢で…』
話を切り出した一ノ瀬さんに自分だけじゃなかったと少し安心した僕も口を開く
『お、俺も似たような夢を見たんだ…』
正確にはより過激な夢だったのだが…ドキドキしながら応えると
『その夢って…どんな夢?』
まさかの質問に答えられる訳も無く
「いや、よく覚えていないんだけど…何か子供の頃の」
そこまで言うと一ノ瀬さんから『ウソっ!』っと言葉が返ってくる
尚ものらりくらりとかわそうとするのだけど一ノ瀬さんからの尋問が激しさを増してゆき
遂に根負けした僕は
「ち、チーちゃんが縛られて、、、怪人から酷い事されてる…内容だった」
嘘は言っていないが、怪人になった僕が一ノ瀬さんの身体を好き勝手に弄ぶだなんて絶対に言えない
余りに卑猥な内容をだいぶんボカシて伝えた僕は、一ノ瀬さんの表情を伺う様にチラリと顔を上げた
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