かけた声に対して返事こ返ってきた事でドアを開けてしまった千鶴…
「急にごめん…ね…おばさん…」
部屋へ来た理由を言おうとした千鶴でしたが、ツンと鼻をつく匂いに言葉を無くしました。
(なんだろう?この匂い…なんか生臭いような…こんな匂い…初めて…これが男の子の部屋の匂い…なのかな…)
鼻をついた匂いにそんなことを考えた千鶴…なんとなく部屋を見渡してしまいました。
「あっ…ごめん…うちのお母さんがスイカ持っていけって言うから持ってきたんだけど…おは…出かけちゃって…帰るまで圭ちゃんの部屋で待っててって言われて…でもこの部屋…ホント久しぶり…相変わらずちゃんと片付いてるね…」
高校生になった今は、そうでもなかったけれど、子供の頃は部屋はまるで男の子のへやのように雑然としていて、それに対して圭介クンの部屋は男の子でありながらも何時も綺麗に片付けられていて、よく母親から圭介クンを見習いなさいと叱られたことを思い出します。
「座っていい?」
一言断ってから床に座った千鶴でしたが、この数日の気まずさもあり話の話題に困ります。
圭介クンもなんとなく落ち着かない様子で、それがオナニーの直後で焦っているのだとも思わず、何が話さなくては…と気持ちだけがはやりました。
「あ、あのさ…最近…話し…できてなかったよね?もしかして…私…何か怒らせるようなことした?」
自分が話しかけられなくなっているのは夢のせい…その事を圭介クンには話せないまでも、もしかして…と思い尋ねてみると、そんなことはないという返事…それを聞いてホッと胸を撫で下ろしました。
じゃあ何故?そんな疑問か浮かびます。
圭介クンが話しかけてこない理由…それは千鶴のせい…もしかしたらあの夢せいで話し辛くなっているのが伝わってなのかと思いました。
このまま理由も分からず話しもできなくなるのは嫌…だったら正直に話してみれば…
「じ、実はさ…あの公園に寄った日の夜…夢を見たんだよね…その夢がさ…そ、その…あの頃のゴッコ遊びみたいな夢で…」
ようやく話を切り出した千鶴に、黙ったままだった圭介クンが口を開きました。
「俺も似たような夢を見た…」と…
正直驚きましたが、千鶴同様、圭介にとっても子供のころのゴッコ遊びは印象深いものだったのかと思い、何故かドキドキとしてしまいます。
「その夢って…どんな夢?」
初めは、よく覚えていないとか誤魔化していた圭介クンでしたが、しつこく聞く千鶴に根負けしたように少しずつ夢の話をはじめました…
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