「お・・・? あれが薬剤師か? めっちゃ可愛くねえか・・・?」
不摂生ながらも薬とは無縁の生活を送っていたため、近所のドラッグストアといえどゆみの姿を見るのは初めてだった。
「あの~『ネット』でかじった知識なんすけど、あれって慢性疲労とかに効果的なんすかね?」
カウンター奥。ゆみの背後にある薬を指差しながら尋ねる。
もちろんネットとは配信なのだが、自身の見た目も相まって配信等と発すれば嘲笑の対象になることを理解していたがゆえに、誤魔化すような質問を投げた。
(にしても、色々と小さくて初々しい薬剤師だなぁ~可愛いし通うのも・・・って違え違え。配信を全部チェックするために薬を買いにきたってのに目的を忘れそうになったわ。配信中の会話ネタにもなるしな)
僅かながらの下心の混じった視線をゆみの身体に這わせているも、まさか配信者本人などとは思考の片隅にすら思い描いていない。
だからこそ質問の回答が『配信とまるで同じ口調と声』だと気が付いたとき、会計のためににぎっていたスマホを落としかけることとなった。
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