翌日。
前日に見回りをした結果、目星を付けていたマンションを張っているとうつむき加減で仕事に向かう姿をとらえる。
「くはぁ~! やっぱあそこだよな。角度的にこのマンションしかねーもんなぁ・・・」
通勤・通学の時間帯に不釣り合いな服装をした男。そう出分が建物の影で歓喜にその身を震わせていた。
「焦るな焦るな・・・がっついて他に相談とかされたらせっかくのチャンスを逃すことになっちまう・・・追い込みすぎて自暴自棄になられても逆効果だ・・・」
惰性で生きてきた男がない知恵をあらん限りに絞り正体がバレていないだろう、という仮説を元に計画を練った。
だからこそ彼はその場は大人しく立ち去ったのだ。
卑猥な言葉を一日中送りたい衝動にも駆られたが、ぐっと堪え仕事終わりの時間を待つ。
そして時間が近付くとまたもや原付を走らせる。
だが、彼の姿はマンションではなくマンションから少し離れた公園にあり、さらには用を足すほどの時間もかけず再度トイレから出ると、その顔に浮かぶ笑みを必死で抑えスマホを取り出した。
『日中のお仕事お疲れ様だね。そんなゆみにプレゼントがあるんだ』
文字を打つ指先が背徳心と歓喜でかつてないほどに震えているがさらに続きを打ち込んだ。
『配信の時にぜひとも身に着けてほしくてね。とっても魅力的な下着だよ? 近所に山上公園って小さい公園があるよね』
日中は子連れ親子の姿を見かけるが、夜になると主要通路から外れることもあり人気はなく少ない遊具とトイレがあるだけの公園である。
『そこの一番奥の個室に置いてあるからそこで今履いてる下着を脱いで、その下着にその場で着替えてから帰って配信をしてほしいな』
コスではなく、あえてコスで隠そうと思えば隠せる下着にしたのは、相手の反応を窺う意味も込められていた。
そして用意した下着とは・・・
マイクロビキニよりも布面積の乏しい、乳首が隠れても乳輪がはみ出し、割れ目が隠れても毛は隠れないほどに小さな下着だった。
「人気が出たばっかな以上、今の配信生活に固執するはずだよなぁ・・・そこで安心させながらじっくり・・・くひひっ・・・」
そうして公園の脇の茂みに姿を消していった。
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