目立たないお仕事を終え、自分の世界に没入していく・・・。
普段の私からは想像も出来ない程の露出度高めなコスチューム。
ベネチアンマスクを着けることで、秘匿性があり身バレするはずなんて無い・・・。
そう思っているから、違う自分を演じられている。
日頃のネガティブなな私が、ポジテブに振る舞える瞬間だった。
テンションも上がり、飛び散るる汗が心地良い・・・。
歌っている時もチャットに沢山のリクが上がっていく・・・。
どれも私にもっとエロいポーズやコスをと言うものばかり。
そして、曲を歌い終わると、沢山のスパチャが寄せられる。
ゆみ
(やっぱり、気持ち良い・・・皆んな、私を見てくれてる・・・)
アドレナリンも上がって、一番ハイになっている瞬間だった・・・。
視聴者
『ロングコートタイプの白衣にベージュのインナーが似合うんじゃないかなぁ~下はネイビーブルーのスカートで』
もっと、露出をと求める流れの中でこの一言に気を止める人なんていなかった。
チャット欄の賑やかしの一部のはずだった書込みだったが・・・
その書込みはまさに今日、私がお仕事で着ていた服装であることを彼女だけが気付いた。
ゆみ
(なに?・・・この人・・・どうして・・・知っているの)
『あ、ごめんね・・・今夜はこれまで、また見てね・・・バイバイ!』
私は慌てて配信を止める。
最後まで平静を装ったが、胸はバクバクして動揺を隠せなかった。
頭の中で整理しようとするが、理解が追い付かない。
元々大人しい性格の私は、こんなポジテブな性格では無い。
悪い事をしている様な、背徳心も私を責め立てる。
それでも、そんなはずは無い・・・そんな根拠の無い自信も持っていた。
自分と正反対の自分を演じる私は、もうこの感覚を失いたく無かった。
リスクを考えれば、暫く間を空けるのも良かったのだが・・・。
そして、痛恨のミスも犯していた。
動揺して少し、カメラのアングルを動かしてしまい、自室の窓からの景色が
映り込んでいた。
赤と青の電飾看板・・・特徴的なファストフードの看板だった。
※元投稿はこちら >>