社長室
目黒から受話器を受け取り、堂本との会話を始める亮平
「そんなことが…黒木、堂本部長の名前騙って……なんで寮に入れたのか疑問だったんだけど、それで合点がいったよ。教えてくれてありがとう。じゃあ繋いで。」
堂本の「お繋ぎします。」の声の後、
「大変お待たせしました、佐久間です。はい…はい…
黒木は一身上の都合で急に退職いたしまして、私が代りに…はい…はい…
黒木がそんなものまで依頼していたのですか…
急な退職だったもので弊社内で引継ぎが不十分で申し訳ございません…
新素材の裁断は終わってしまっているということですね、はい…はい…
わかりました、では完成形にして新素材の物は私に納入してください。。
他のウェアは総務部部長で堂本という者が居りますので、そちらに。
えっ伝票ですか?伝票も新素材と他で分けていただいて同じように。
はい…はい……では、宜しくお願いします。」
電話を終えた亮平は、菊池・目黒と共に一度エレベーターで一回まで降りて
「勝ちゃん今日はありがとうな。また今度飲みに行こうや、横山さんと北斗にも声かけといてくれ。」
菊池「ああ期待してる。費用は勿論社長様持ちだよな。じゃあまた今度。」
菊池は一階でエレベーターを降り、亮平と目黒はそのまま寮がある五階まで昇る。
昇っていくエレベーターの中
「目黒、お前も一緒に行くんだからな(笑)それにしても黒木の奴、色々とやらかしてくれたもんだ……黒木がここから消えて、目黒お前のトラウマも完全に克服されるといいんだけど…」
目黒「時間が解決してくれると思います。恥ずかしい話ですが、井ノ上さんや米倉さんの裸体見て、本当に久しぶりに疼いてしまいましたし…」
「米倉さんか…彼女も綺麗でナイスボディだよな…そうか米倉さんにもね(笑)彼女レズビアンだそうだから、ハードルはかなり高いぞ(笑)」
エレベーターが止まり、五階で降りると胡々希の部屋の方に向かう二人。
部屋のインターホンを押すと、応答があった後玄関のかぎが開けられる。
迎えに出てきた米倉に先導されるまま、リビングに向かうと、ソファに胡々希が座っている。
「井ノ上さん、黒木は懲戒解雇で決着しました。本人はまだ知りませんが、会社としての決定事項ですので、もう覆ることはありません。そのうえで改めてお聞きします。井ノ上さん、佐久間スポーツジムに就職できますか?…(独り言のように:ちょっとちがうかな。)就職して貰えますか?」
目黒「井ノ上さん、貴女がサウナに閉じ込められて倒れた時、真っ先に発見して助けたのは社長ですし、水を飲めなかった貴女に口移しで給水したのも社長です。
言い方は変ですが社長は貴方の命の恩人……私からもお願いします。職種は違うとはいえ、同じ会社で働きましょう。社員全員貴女が就職してくれることを待ってると思います。黒木のような者はもういないと断言できます。」
「目黒、強制するような言い方は駄目だよ。でもありがとう…」
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