「入社まではまだ少し時間があるから、体調戻すことに専念して。入社したら頑張ってくれ(笑)」
その後少し体調が戻ってきた様子の胡々希と、他愛のない雑談をしていると、胡々希のスマホが着信を知らせ、誰からの着信か見て欲しいと。
サイドテーブルに置いてあったスマホを手に取ると、渡辺照の文字。
「渡辺君からだよ。どうする?彼、念書の意味分かってるのかね。」
吐き捨てるように言って、画面を胡々希に向ける亮平。
「出しゃばるようだけど、もう一度私から言ってあげようか?」
目黒「社長、鍋とか持ってきました…電話渡辺君ですか…彼、念書を随分軽く考えてるようですね…念書の日付より後の着信ですから、念書とこの携帯の着信履歴見せれば、悪質なストーカーとしても警察に訴えられると思いますが。」
そうこうしているうちに、着信メロディーが鳴りやむ。
「しつこいな彼も。警察への訴えとかをどうするかの最終判断は井ノ上さんに任せるけど、私としては、一度警察に話しておいた方が、いいと思うよ。」
渡辺輝アパート
照がスマホでコールするのを見て、スマホを取り上げて、切断ボタンをタップする。
渡辺輝「あっ、何すんだよ親父…返せよ返せったら。」
渡辺父「照!馬鹿、何をしてる!警察に訴えられたら、ストーカーとして登録されちまうぞ。大学は単位OKなんだろ。訴えられる前に戻るからな。」
再び寮胡々希の部屋
「切れたか…今後煩わせられないように、着信拒否とかにしといたほうがいいかもね。それより井ノ上さん、多少は元気出てきた?饂飩食べられるかな?キッチン少し借りるね。」
そう言うとキッチンに移り、手早く鍋に水を張りコンロにかける亮平。
「蒲鉾それに卵か。饂飩軽く煮込んで卵でとじるか。葱とか薬味は付いてきたのを使うとして…少し大声寝室の胡々希に聞こえるように(井ノ上さん卵アレルギーとかないよね。)」
黒木自宅
米倉との電話を終えた黒木
黒木「米倉さんに分かったとは言ったものの、私は自宅謹慎の身、私が連絡したところで小娘警戒するだろうし、さてどうしたものかしらね。」
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