黒木と相対するように並んでいる、亮平・目黒・堂本。その後ろに大西と菊池・女性事務員が。
誰も一言も発せず重苦しい静寂に包まれる社長室。
静寂を破るように黒木が
黒木「全く井ノ上さんったら、サウナ室に閉じ込められてたんですって?…
入社前だってのにどれだけ迷惑かければ、気が済むんですかね。」
その言葉を聞いて顔をしかめる亮平・目黒・堂本。
少し間を置き亮平が
「黒木君…君……」
言葉を続けようとしたときに〇〇さんが、社長室に戻ってきて
井ノ上さんを寮に送ってきたこと、食べ物や飲み物が無いので後で亮平か目黒が届けてくれると思うと伝えたことを報告してくる。
「そう、ありがとう。ついでで悪いんだけど、これで何か食べるもの買ってきてくれるかな。お釣りは君が好きな物買っていいから。」
そう言うと財布から一枚の渋沢札を取り出し、〇〇に渡す亮平。
それを見ていたもう一人の事務員が
「〇〇さんだけ狡いわ(笑)社長私も一緒に行っていいですか?」
「じゃあ二人で適当に見繕って来て(苦笑)」
そう言って追加で津田札を渡す。
「「社長、堂本部長じゃあ行ってきます。(笑)」」
二人が出ていくと
「社長、すいません。」
なぜか謝る堂本。
「話の腰折られてしまったが…黒木君、君は井ノ上さんに、私がサウナ室に忘れ物したみたいだから見てきてくれと言ったみたいだね。それは本当かい?」
「さぁ、そんなこと言ったかしら?…よく覚えてませんわ。」
「井ノ上さんははっきりと、君に命令されたと言ってるんだがね。」
「そう言われても覚えてないものは……社長は長い付き合いの私の言うことより、入社前の彼女の言うことを信じるんですか?」
「今はそんな話をしてるんじゃない!ごまかすなよ黒木君。」
「そんな怖い声出さなくても…私が井ノ上さんをサウナ室に閉じ込めたっていう、証拠でもあるんですか?私が仮に言ったとしても、それは原因を作ったかものですけど、井ノ上さんがサウナ室に閉じ込められたのとは別ですわ。今回の件は事故、悲しい事故ですわ。ブラシの柄が引っかかってドアが開かなくなったのは事故ですわ。」
勝ち誇ったような黒木。だが彼女は決定的な自白の証言をしてしまったことに、未だに気が付いていない。
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