「勿論ガイドラインやマニュアルは作ってあるし、随時見直しはかけていますが、何分ガイドラインもマニュアルも社員側を縛るものであって、お客様にはお願いレベルでしかできないですからね。
何かあったら単純に警察に訴えればいいと思うかもしれませんが、客商売の難しいところで、訴える行為の線引きによっては、お客様を減らしてしまいかねない。
そんなことになったら、経営が立ちいかなくなるのは明らかです。そうなってしまったら働いてくれている社員やそのご家族に迷惑をかけてしまう。
難しい問題なんですよ実際。
亮平心の声:なかなかしっかりしていて、これはなかなかの拾い物かもしれない。黒木はかなりご立腹のようだが、この娘(こ)が黒木の下に就いて今の考えを貫けるかも見てみたいものだ。果たして耐えられるんだろうか・・・」
「なかなかの意見を聞かせて貰いました。皆さんは他に何かございますか?」
そう言って、光一・堂本・黒木を見渡す亮平。
「いや大丈夫」と光一
「私も特にありません」と堂本
「大丈夫です。」と答える黒木だったが心の中では「なに?社長まさか、この高慢ちきな娘(むすめ)雇う気じゃないでしょうね。もしそうだったらいびり倒してやるんだから。」などと考えていた。
「無いようでしたら、最後に井ノ上さん、もし当ジムに来ていただくとなった場合にですが、採用はインストラクター職になりますが、何分にもまだまだ小さい所帯、インストラクター業務が終わったり手が空いている場合には、受付やトレーニング室、これからできる予定のプール・スパ・サウナの清掃や、行く行くは管理なんかもお願いすることになると思います。宜しいですか。」
その問いに対する胡々希からの返答を聞いたのち
「それでは井ノ上さん、今日はご足労いただきありがとうございました。結果は追って〇日までにメールでご連絡いたします。」
亮平がそう言うと、井ノ上胡々希は椅子から立ち上がり、一礼をして退室していく。
その後残る二人の面接をこなし、秘書の目黒に応接室の机の配列を直させた後、そのまま採用者選別会議に入る一行。
「私は、井ノ上胡々希さんがいいと思うんだが、会長はいかがですか?」
「いいと思うぞ。光一心の声(良し、亮平の奴食いついたぞ。第一段階はクリアかな。)」
「人事課長はいかがですか?」
「自分の意見もしっかり言えて、申し分ないかと思います」と堂本
「黒木君は?」
「私は大西君がいいと思います。彼もしっかりしていて、うちが導入しているマシンとはメーカーが違いますが、マシンの扱いにも慣れていそうですし。」
「私も彼はいいと思うのですが、何分にも井ノ上さんの印象が強すぎて、折角の人材手に入れないわけには・・・」
「いえ、私は絶対大西君押しです。
黒木心の声:あの小娘は最後まで反対してやる。どうしても三人は小娘押しを曲げそうにないから、小娘と大西君の二人採用させてやる。採用に関してはこの四人全員の賛成が必要。大西君のあのズボンの膨らみ、厚い胸板。彼あっちの経験も豊富そうだし、一度抱かれてみたいわ。」
「そうですか、困りました・・・採用に関しては四人の全員一致を旨にしてるし。。」
頭を抱えて考え込む亮平。
「どうだ亮平。いや社長。この際二人採用ということにしては。
大西君は顔も身体もいい。彼目当てのマダムが入ってくれるかもしれないぞ。それに一人が二人になったところで、人件費位出せるだろ。」
と光一が助け舟のように意見を出す。
「それはそうですが・・・・・・」
数分の間考えていた亮平だったが
「二人採用としましょうか。いいですか堂本課長、黒木君。」
「分かりました結構です」と堂本
「ごり押ししてしまったみたいで申し訳ありません。異論はございません。黒木心の声:入社は反対できなかったけど、こうなったらあの小娘の事いびり倒してやるんだから・・・それに美男子入れることに成功したし。これからは目の保養できるわね。大西君、私くらいの熟女興味あるかしら?同年代に比べれば身体の線は保ってると思うし。」
「では今回は井ノ上胡々希さんと大西茂君の二人を採用するということで。堂本課長、〇日に井ノ上さんと大西君二人に合格通知メールを送っておいてください。もう一人には今回はご縁が無かった旨お願いしますね。」
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