なんだかんだ屁理屈をこね、胡々希はおろか亮平、目黒にまで懇願している渡辺照を振り切り、なんとか車を発進させジムにまで戻って来る。
寮の自室に残った胡々希と別れ、
「目黒君お疲れ様。自分のデスク戻る前にちょっと社長室に来てくれないかな?」
そう言うなり、目黒の回答も聞かず社長室に向かう亮平。
「はい。」
訳も分からないながらも、目黒がその後に従う。
社長室のデスクの前に座った亮平は
「ドアに施錠して隣に来てくれる。」
その間に亮平は目の前にあるパソコンを起動している。
「目黒君、いや目黒、君は今日一日見てて井ノ上さんの事どう思った?」
「どうとは?(目黒心の声:聞かずともやはり、女性としてどう思ったってことだよな、これは。)」
「野暮なこと聞くね、君も。女としてどう思ったってことだよ(薄笑)。俺も独身だし、船見ともこの前別れたし。彼女も渡辺って言う小僧とはもう別れたも同然。俺が想っても問題はないだろ。」
「(目黒心の声:やはりそうなのか、社長は井ノ上さんの事…どう答えればいいんだ?)いい女(ひと)だと思いました。芯はしっかりしてそうだし…なにより……」
「なによりなんだ?(笑)」
その頃にはパソコンも立ち上がり、いくつかに分かれたウィンドウには寮の室内らしき映像、そのうちの一つ浴室の映像には全裸でシャワーを使っている女性の後姿が映されている。それを目にした目黒、
目黒「社長……、パソコンに映っている映像はいったい?(目黒心の声:子の体形、これ井ノ上さんだよな、社長まさか覗きを…)」
「目黒、これは君を信頼して君だけに話すんだが、君が想像している通りこれは今現在の井ノ上さんの寮の室内だよ。井ノ上さんいい体してるよな、そう思わない?今は流してないが、音声も流れるぞ。」
そう言うとほんの少しスピーカーの音量を上げる亮平。するとスピーカーからはシャワーの水音が流れる。
乳房に塗られたソープ。
それを掌でこするように脇腹や太腿に塗り広げている胡々希。
太腿の付け根は、湯気の影響なのか曇って定かには映っていない。
「う~ん……曇り止めが必要か。」
「(目黒心の声:社長はどうしてこれを俺に…)社長、それで私は何をすれば。社長には大恩がありますので、なんでも仰って下さい。」
「ありがとう目黒。ちょっと出ようか。」
そう言うとウィンドウを全て閉じて、パソコンをシャットダウンさせる亮平。
「駅の方にある〇〇バって店に行ってみよう。前に井ノ上さんに教えて貰って一緒に行ったんだ。コーヒーフラペチーノっての、ちょっと甘いけど美味いぞ、目黒は行ったことある?〇〇バ」
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