「そうですね、待ち伏せしてると思いますが、家にある物も返さないといけませんし
今から明日に一緒に行ってくれそうな男子に頼んでも渡辺君が何言い出すか判らないですしどうしたらいいんだろう。」
車の後部座席で亮平が着いて来てくれると言うが悪い気もする。
が、伯母に頼まれてるとも言ってくれ車の手配までしてくれた。
「社長、本当に勝手で申し訳ないのですがお願いします。」
「ここが新一号店ですか…、こんな素敵なところで働けるなんて嬉しいです、何だか信じられないです。」
エレベーターに乗るとカードキーとシリンダーキーを堂本から渡され説明を受け
「ここまでセキュリティ万全ならジムに部外者が入ってきても寮にはたどり着けないんですね。
安心しました。」
カードを画面にタッチすると五階と六階が画面に映される。
堂本
「社長、井ノ上さん、私はまだ仕事が残ってるので事務所に戻ります。
説明の方は社長、お願いします。」
四階で降り代わりに亮平の秘書の目黒康二が乗り込んでくる。
「こ、こんにちは…。」
胡々希を一瞥すると軽く会釈をする目黒。
目黒康二、亮平とは話すが他の人とはほぼ話さない、それは胡々希に対しても変わらない。
以前、黒木昭子が全裸で亮平に迫った場所に遭遇し引き離したのは目黒康二だった。
その時、黒木から襲われたと言いがかりを付けられてから精神的に参ってしまい、一時期失語症になってしまったが今は回復している。
亮平が証言とケアをしてくれ恩義を感じ従順且つ側近として動いているが
亮平が気に入っていると思われる胡々希をまだ信じず品定めしている。
五階に到着すると右手と左手に別れており目黒がエレベータードアを押さえ二人を先に下ろす。
亮平が左手側に歩き出すとその後を着いていく胡々希。
一番端の部屋に到着するとカードをタッチしシリンダーキーで開けると寮にしては広めの1LDK。
「社長、ここが寮ですか?普通のマンションみたいです。」
靴を脱ぎ揃え、休む為にリビングへ。
「一息ついたらマンションに簡単荷物を取りに行きたいのですが…、宜しいでしょうか?」
目黒
「社長、私もお供します。
先ほどジムで買ってきた珈琲と貴女は何が好みか判らなかったのでミネラルウォーターを買っておきました。」
亮平に手渡すとリビングドアの前に立っている目黒康二。
目黒康二、秘書と言うか亮平の言う事、何でも聞くのでその様にしてあげて下さい。笑
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