少し溜まっていた事務作業を片付けていると、メールの着信が。
「誰だ?…おっ井ノ上さんか。未読削除はなんよか免れたみたいだな。どれどれ。クリーニング終わり次第直ぐにでも入寮したいか。こりゃ完全に彼との間に隙間風拭いてるな(笑)」
胡々希からのメールを読み終え少し考えこむ亮平。
「さて返答どうするか。一社員それもまだ採用予定者に対して、社長自らメールを頻繁に送るって、不審がられないかな?…でも聞かれたことに答えないのも変だし……ま、いいか」
自分の中でそう踏ん切りをつけ、返信メールを書き始める亮平。
メール
【痛みはないんですね。良かった。怪我させてたらどうしようかと心配してました。
入寮の件、クリーニング終了1~2日後には可能だと思います。業者にお金を払う以上一応仕上がり確認は必要なので、それくらいの時間は見てください。
それと社員割引を使用する場合は、最初だけ専用帳票に記載して貰って、私の最終決済が必要ですので、帳票を堂本課長に貰って、記入したものを堂本課長に提出してください。
入社後期待してます。 佐久間亮平】
渡辺照
翌日胡々希に謝罪するため何度かコールする照だったが、その度話中で電話は繋がらなかった。
何度目かのコールを終えた後
「胡々希、電話長いなぁ。誰と話してるんだろ?あのおやじ??いやいやまさかな。胡々希に限って。胡々希は俺のテクにぞっこんのはずだし。」
数日後佐久間スポーツジム社長室で堂本が亮平に報告している。
「社長、クリーニング後発覚した電気系統の不具合、先程工事完了したと業者より連絡がありました。それで社長に何か報告事項があるとのことで外で待っていますが、いかがしましょうか。」
「そう、分かった。通してくれるかな。案内してくれたら堂本君は下がっていいよ。そうだ、井ノ上さんにクリーニング終わったからいつでも引っ越しOKだよって、連絡入れといてくれる。引っ越し日決まったら連絡貰ってくれる」
黒木
「あの小娘が入寮ですって……一階から上階へ帰るだけなら、毎日の鍵閉め鍵開けは小娘の担当ね(笑)マシンのメンテナンス時の付き添いも小娘の担当にしてあげようかしらね。」
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