胡々希を部屋まで送り自宅マンションに返って来た亮平
そこで初めて自分のズボンの膝のあたりが湿っているのに気が付く。
「あれっ何で……??」
今までの行動を思い返してその原因に思い至る。
「キスだけでねぇ…耳は感じやすそうだし、首筋うなじも…
これは開発のし甲斐がありそうだ。
胡々ちゃんは脇腹や背中なんかも感じるのかな?……挿れるだけがセックスじゃないんだよ、渡辺君。
女の人のこともちゃんと感じさせて(いかせて)あげないとね(笑)」
翌朝、バナナ一本を食べて、通用口へ
「胡々ちゃん、おはよう。よく眠れた?目黒は……やっぱり来ないか。
じゃあ早速行きましょうか。
いつも同じコースなんで、目黒の奴も走れるようだったら追いかけて来るでしょう(笑)」
通用口を出るとアップがてら、腕を大きく振り回したり、たまに屈伸をしたりしながら、いつもは目黒と二人で走っている公園へ。
「ここですよ、少し進むと池があってその周りを走れるようになってます。
池の周りには季節ごとに花が咲いて、目を楽しませてくれます。」
そうしてゆっくりと走り始める胡々希と亮平
その時一人のランナーが隣に来て、亮平に声をかける。
「佐久間さん、おはようございます。今日は目黒さんじゃなくて、綺麗なお嬢さんが一緒なんだ…。もしかして佐久間さんのこれ?」
小指を一本立てるランナー
「これは〇〇さんおはようございます。ハハハ…まあ、一応(笑)」
「こんな綺麗なお嬢さんと……羨ましい限り」
「先日ショッピングモールでご一緒のところお見掛けしたけど、〇〇さんの奥様も凄くお綺麗じゃないですか。」
「あいつに佐久間さんが褒めてたって伝えておきますよ。あいつ喜ぶだろうな(笑)じゃあ、私はお先にこれで。」
「お疲れ様です、またいずれ…」
隣で並走している胡々希に
「胡々ちゃん、ごめんね。
今の人は〇〇さんと言って、ここで走ってる時に知り合ったんだ…
街の方に働きに出てるみたいで、いつも出勤前に一走りしてるみたい…
こっちの桜は葉っぱになっちゃったけど、向こうの斜面にもうそろそろ芝桜が咲き始めると思う。」
八ッ八ッ八ッ……健康的な息遣いを上げながら池の周りを走る胡々希と亮平
「心の声:あの時の息遣いももちろんいいけど、こういう健康的な息遣いもいいな(笑)」
そんなこと柄を思いながら、たまにチラッチラッと横目で胡々希の方を伺う亮平
その間も走りながら、数人のランナーと声を掛け合う亮平。
入って来た道の方に寄って
「ハァハァハァ……今日はこの辺にしてそろそろ帰りましょう。朝食簡単に仕込んであるので、ご一緒しましょう。」
ジムのビルの方に歩き始めるとスマホに着信が
出ると母の夏奈である
「母さんおはよう、どうしたの朝早くに。昨日電話貰ってみたいだから、もう少ししたらかけようと思ってた。」
夏奈「亮平おはよう。なにね、今度久しぶりにジムに行こうと思ってね」
「母さんも会員なんだから、トレーニングならいつでも来てくださいよ。もっとも特別待遇なんてできませんけど(笑)」
夏奈「亮平も言うようになったじゃない、じゃあ今度行きますからね」
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