胡々希の話を聞き終え少し考えてから、
「そうですか、話してくれてありがとう。
その時に好ましく思ってってお付き合いを始めたのなら、打算でも何でもないでしょ。
同じ大学の先輩等から圧力がかかりにくいって、どんな噂話を耳にしたのかわかりませんが、それとこれとは何も関係ないと思いますよ。
胡々希さんが噂話を耳にして、時期的なこともあり頭の中で結びつけてしまったってだけだと思います。
好ましく思ってれば、その先に進みたい進んでもいいって思うのは普通のことです。
僕が胡々希さんに告白したようにね(笑)
あっ、僕のあの時の気持ちは全く変わってなくて、一層強くなってます(照)
それに渡辺君の肩持つわけじゃありませんが、渡辺君が大企業・有名企業に就職したいって気持ちも分からなくはないんですよね。
綺麗なオフィスで颯爽と働いてる自分って格好いいとか、まあ、幻想的な憧れなんでしょうけど。
僕の場合、毎日満員電車に乗って通勤してる自分の姿が想像できなかったこともあって、早いうちから幻想的な憧れを捨てましたけど…
収入の面でも、都会の方が地方より格段にいいはずって思うってこともありますね。
実際にうちのジムよりは、都会の大手チェーン系スポーツジムの方が、手取りはいいはずです(苦笑)
それなのに胡々希さんには、うちを選んでもらって感謝しかないです(笑)
事実、大西君と胡々希さんをモデルにしたパンフレット作った結果、見学希望者も順調に増えてるんですよ。
堂本部長なんか嬉しい悲鳴上げてます。
大西君と胡々希さんがプライベートレッスン専属対応と聞くと、敷居が高いのかそのまま帰られてしまう方も多いですけどね(笑)
もし胡々希さんが僕とのおつきあいをOKしてくださるなら、ジム内に隠すつもりは毛頭ありませんし、もしそれで陰口を言う従業員がいたなら、辞めてもらうつもりです。
改めて言います、胡々希さん僕とお付き合いしてください。」
胡々希の手を取り、一気に言葉を吐き出す亮平
いつの間にか、打ち上げを止めている花火。
見上げれば満天に星空が広がっている。
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