前に置かれたサンダルを穿きながら。
「花火大会の練習ですか?どこの花火大会だろう?見に行けたらいいなぁ。」
バルコニーの端まで来ると亮平が来るのを待ち、2人で花火を見上げる。
音とともに光の花が咲くと綺麗〜、綺麗ですね〜。と亮平に笑顔を見せる。
「米倉さんのことは追々にでしょうね、社長や目黒さんのこと嫌がってはないと思いますよ。
もし嫌なら一緒に朝ごはん食べませんもん。
食って精神的なものと直結していて不快に感じれば箸が進みません。」
今までより大きな花火が一発上がり2人の顔を花火が照らす。
「凄く大きい!綺麗〜、見ました?」
その後バルコニーの手すりに凭れていると不意に背中に腕が…。
「ジョギング、ご一緒させていただきます。
(亮平を見上げ)社長……、私、社長が戯れてしてないこと判ってるつもりですが……、この話を聞いてからもしもう一度告白…してくださるのなら…、聞いてくれます?」
亮平が真剣な目で頷くと?
「聞きたくない話でしょうが私がこういう人間だと解ってもらいたく話します。
他大学の渡辺くんと付き合いました経緯。
叱られてしまうかもしれませんが…、打算的な計算もありました、他大学の人と付き合えば同大学の先輩から圧力が掛かりにくいって…。
勿論、渡辺くんのこと好ましく思ってましたよ。
独り善がりだったりだけど変わってくれると信じてましたし、就職活動する前の彼に戻ってくれるんじゃないかと淡い期待もありました…
ただ何と言ったらいいのか……、彼は大手上場を狙って私は地域密着がいいと考えたあたりで
考えのズレが出てしまったのかも知れません。
正直、私、有名企業に就職すれば安泰なんて思ってないんです。
競争が激しいでしょうし神経すり減らして…、そんな暮らし私は望んでないんです。
そんな事を考えてる時です、良くないしっかりした証言を聞いてあ〜あ、合わないんだ。
(渡辺くんと将来)そして未来を思った時、予想図が何も見えなかったんです。
出来れば綺麗に終わりたかったんですけどね…。」
背中に触れていた腕から離れ亮平に向き合い見上げる。
「社長と従業員、人の口に戸は立てられません。怖いんです。
もし上手くいかなかった時、何を言われるか想像つきますし
仮に上手くいっても何かある度に(他の従業員たちに)社長の姿がチラつくでしょう。
だからと言って隠れてお付き合いと言うのは嫌ですし…、社長はどうお考えですか?」
リビング、目黒。
目黒「あれ?離れて向かい合って何か話してるぞ、聞きたいがここからじゃ聞こえない。
社長がいずれ話してくれるだろう、あー、しかし明日の社長の朝飯食えないのは悔しい、ジョギングも無理そうだ。」
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