「トラウマ…ですか……
それに至った原因が何なのかが分からないと、軽々にはいかないかも知れませんね…
誰か過去を知る人がいないものなのか…後で目黒に聞いてみましょう。
米倉さんもトラウマの原因になったことに触れられるのは嫌でしょうから…それを知った上で、それごと包み込むことが必要なのか…」
一足あったサンダルを胡々希の前に置いて
「私は靴下のままで、部屋に入るときに脱げばいいだけですから
花火良ければ一緒に見ましょう。見てくださいかな(笑)」
花火が上がるたびに”きれい…”と呟く胡々希の横顔を時折見つめながら、心の中で胡々希さんのほうが綺麗だよと思う亮平が次の瞬間口にしたのは
「胡々希さん、朝のジョギング明日朝から一緒にやりませんか。目黒と二人男同士で走るのもいいんですが、華があった方がやはり楽しいというか…明日は目黒の奴走れるかどうかわかりませんが。」
そう言ってリビングの方を振り向く亮平
その時ソファで何か動いたような気がしたのは、亮平の気のせいであろうか
その後もバルコニーの手すりに並んで凭れて、花火を見物している二人だったが、5分程経過しても次の花火が上がる気配は無い。
「もう終わりかな…」
そう言って胡々希の背中側で触れないようにしていた腕を、思い切って触れさせて軽く胡々希を抱き寄せる亮平。
リビングソファ
眠っていた目黒が目を覚ますと、亮平の姿も胡々希の姿もそこにはなかった
目黒「あぁ…寝ちまったのか…またやっちまった。あれ社長と井ノ上さんはどこに?」
上体を起こして見まわしても姿は見当たらない。
バルコニーに目をやった時に、二人の人影が見える。
目黒「(心の声:社長……いい感じじゃないですか、いつの間に…邪魔しないようにばれないようにここで見て…)あっやばい……」
振り返った人影(亮平)に吃驚して、再びソファに横になる目黒。
目黒「(心の声:社長…上手くやってくださいね。)」
数分身を隠していた目黒が再びバルコニーの方を見ると、二人の人影は先程より密着している。
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