「おい目黒、そこで寝るなよ。寝るならソファに行ってからだからな。
いいなほら行くぞ。立ち上がれるよな。」
目黒「社長、何言って…るん…ですか……俺酔ってなんかいませんよ。」
「分かった分かった。とりあえず立ち上がろうか。リビングで、井ノ上さんが作ってくれたババロア、一緒に食べような。」
目黒の脇の下から腕を差し入れて立たせ、なんとかソファに座らせる。
胡々希がババロアと飲み物を持ってリビングに現れたころには、軽い鼾を立てて二人掛け用長ソファに横になり眠っている目黒。
「ええ、眠っちゃいました……
目黒の奴、米倉さんを好きになったみたいですね。
業務提携の担当も自ら買って出てたし(笑)
でも米倉さんって同性を愛する方だから、仲の進展のさせ方が難しいって、よく嘆いてますよ…
ババロアですけど、目黒の分は後で冷蔵庫に仕舞って、明日朝にでも朝食の時に出しますよ。
目黒も言ってたけど、胡々希さんがよければ一緒に走りませんか。
大したものは出せませんが、朝食もお出しできますし。」
そう言って胡々希の方を見ると胡々希もこちらを見ており視線が合う。
齢柄にもなくドギマギして視線を外す亮平。
その時窓の外が一瞬明るくなったかと思うと、続けてドーンという音が聞こえてくる。
「花火か…そう言えば毎年この時期に、打ち上げ花火が上がるんですよね。
なんでかはよくわからなくて、勝手に夏の花火大会の予行演習とか思ってるんですけど(笑)…」
視線を戻して今度は胡々希の目を見つめ、
「胡々希さん、良ければバルコニーで見ませんか?」
ソファから立ち上がりながら、胡々希に手を差し出す亮平。
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