元気そうな胡々希の声を聞き安心したように
「赤ワインか。目黒お前も気が利くようになってきたな(笑)
井ノ上さんも飲めればいいんだけど、苦手じゃ無理強いもできんしな。
炭酸水用の氷も忘れるなよ、目黒。」
冷蔵庫の中を探っている目黒に声をかけてから、
「井ノ上さん、お客さんを使ってしまって悪いけど、これダイニングテーブルに持って行って配膳しといてくれます?」
そう言って取り分け用の小さいサラダボール・各種カトラリー・ランチョンマットをそれぞれ人数分渡す。言いながらも自分は
サラダが入れられた大きいサラダボール、フライパンに入ったままのパエリア、スープ皿によそった温かいガスパチョを、アイランドキッチンのカウンター部分に並べている。
パエリアやサラダ・ガスパチョの配膳を終えたダイニングテーブル。
各人の前のグラスにもそれぞれ飲み物が注がれて、食事が始まる。
「今日は目黒のリクエストでパエリアを作りました。
具材は小海老と烏賊・トマト・ブロッコリー・アスパラ後はムール貝と言いたいけど、無かったので浅蜊で。
スープはガスパチョを温かくして後はサラダを作ってみました。
どうかご賞味ください。
じゃあ今日も一日お疲れさまでした。」
そうして始まる食事。
会話をしながら皿の半分ほど食べ進めた時、
目黒「社長食事の席でなんですが、電話で報告した米倉さんとの打ち合わせの件、どうか前向きに検討してくださいね」
「分かったよ。寮のセキュリティの関係もあるからな…堂本部長の意見も聞かなきゃだし。ちょっと待ってろよ。」
目黒「来週までですからね…いい返事…き…期待してますよ。(心の声:社長、俺酔い潰れた演技しますんで、後は井ノ上さんと宜しくやってください。)」
一人でワイン瓶の三分の二くらいを飲んだ目黒の呂律は、本当にかなり怪しくなってきているが、本人はまだそれほどと思っていない。
「分かったって……お前少し飲み過ぎじゃないのか、米倉さんの事誘えなかったやけ酒か?(笑)明日朝のジョギング行けるか?」
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