“ランコントル、社長室”
米倉「何か私、失礼な事してしまったかしら?」
秘書(従妹)「由紀姉…、佐久間ジムさんの担当の人、お茶でも誘えたらと思ってたんだよ…。」
米倉「へっ?目黒さんが何でだろう?」
秘書(従妹)「そりゃ〜、由紀姉が好きだからじゃない?……あの時の事のせいで……、(男性に)抵抗ある?
私、由紀姉に沢山助けてもらったから今、ここに無事で居られてる、だから私……。」
困った顔、悲しそうな顔をする米倉由紀。
“過去”
米倉とその従妹は某県の山に囲まれた村に住んでいた。
米倉両親は村から出た事はなく、“それ”が当たり前で過ごしてきた。
“それ”=女は男に仕える者…、男尊女卑なそんな村で美人でスタイルのいいとで有名な米倉に何が起こったか容易に想像出来る。
頬に殴られた後、衣服は…そんな姿の娘を見ても米倉両親は村の権力者に逆らえず何も出来なかった、娘に何が起こったか判っていたのに…。
それに気付き行動したのは従妹父だった、村外から入ってきた従妹父は従妹母を説得し18を迎えた米倉を村から連れ出した。”
米倉「私こそ、貴女の家族には感謝してるのよ。」
秘書(従妹)「あの時……、私が……。」
米倉「何言っているの貴女はまだ小学生だったじゃない、そんな娘に…。
貴女が気に病む事じゃないわ、あれは全て悪い夢。
今、こうして女性を磨く仕事が出来ているから満足よ。
磨いても誰にも穢される女性はいないわ。」
秘書(従妹)「由紀姉…。(心の声:どうか誰か由紀姉の心を救ってください…。)
ねぇ、今夜も一緒にご飯食べよ?」
“亮平のマンション”
「ご招待くださりありがとうございます。
これ、いちごのババロアです、デザートにと思いまして…。
あっ、お邪魔します。」
ババロアのトレーを亮平に渡し、靴を脱ぎ揃え用意したあったスリッパを履くとリビングへ。
リビングに案内され洋服を褒められ凄く嬉しそうに話す。
「お褒め頂きありがとうございます。
大学が体育会系、サークルもですが…、なので学生時代はスカート穿く機会が中々なくて…、ただ私、元はこう言ったふわっとしたスカートが好きでこれからは自分らしく自分の好きな格好をしたいと思ってます。」
元カレも先輩達も文句を言ってくる人も居ない、それを思うと嬉しくて。
「目黒さん、お仕事で外出されてたんですね。
お腹空いてますが待っててあげます。」
ふふふっといたずらっ子な様な笑顔を亮平に見せると。
「お茶、……温かい物を頂ければと思います。
キッチン、アイランドなんですね、使いやすそうでいいですよね〜。
ベランダも広いですしバルコニーもあるんですね。
あっ、プランター、何育ててるんですか?」
亮平がお茶を用意してくれると近辺にジョギングに適した人通りが多い公園がないか?と尋ねる。
(リビングはソファですか?下にクッションですか?どちらでしょう?)
「お茶、頂きます、熱っ……。」
器(湯呑?カップ?)を持つ時、掴みそこね手に掛かってしまった。
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