翌朝いつもより早く目覚めた亮平。顔を洗いトレーニングウェアに着替えると、目黒に電話をかける。
目黒「おはようございます。社長、今日は少し早いですね。もう出ますか?」
「ああ、いつもの〇〇公園入口で…ここからだと、目黒に少し待たせてしまうかもだが。」
目黒「構いませんよ。早朝のジョギング気持ちいいですから。それに〇〇公園にある池の周り、整備されてて気持ちよく走れるんですよね。」
「じゃあ今から出るから、公園で。」
数分後〇〇公園
「目黒、おはよう。やはり待たせてしまったね。」
目黒「社長おはようございます。大丈夫ですよ、私も着いたばかりなので。」
「今日は二周くらいしようか、じゃあ行こう。」
池の周りの遊歩道を走り始める二人。
他にもジョギングをしているランナーが数人。
「今年もそろそろ終わりか…大分葉が出てきてしまってるな。」
目黒「そうですね、花が完全に散ってしまえばそれはそれで綺麗なのですが…
綺麗と言えば、昨日の井ノ上さんとの食事いかがでしたか?(笑)」
「ああ井ノ上さんの手料理美味しかったよ。おばあ様仕込みだそうだ。」
目黒「いや私が聞いてるのは食事その物じゃなくてですね(笑)」
「(笑)分かってるよ。仲の進展だろ。井ノ上さんが酔っぱらう前に、想いは伝えた。今は彼女からの返事待ちだ。」
目黒「酔っぱらう前って、彼女お酒が苦手みたいだって、前に社長言ってませんでしたっけ?」
「ああ、ウメ○○○のそれもアルコールが低い奴二缶で、酔っぱらってしまって」
目黒「酔っぱらってしまったなら…」
「馬鹿、何もしてないよ(笑)酒の力借りてなんて、駄目だろそんなことしちゃ。目黒それはお前自身が十分に分かってるはずだが…」
目黒「そうでした…軽はずみなこと言ってしまって申し訳ありません。」
「そうだぞ目黒。お前は黒木に露骨に何度も言い寄られて、挙句女性不信にまでなってしまった。男でもそうなるんだから、女性の場合は尚更だろ。俺は自分の欲望のために井ノ上さんにトラウマ抱えさせたくないからな。」
目黒「社長本当に申し訳ありませんでした。」
「分かればいいんだよ。それより、お前と米倉さんの仲は、少しは進展したのか(笑)」
目黒「いえまだ、からっきし…やはり難しいんですかね……」
「好きなら諦めるな。誠意ある対応続けてれば想いはきっと届くよ。さてそろそろ帰ろうか。着替えたら部屋まで来いよ。朝飯作ってやる(笑)」
目黒「本当ですか?それはラッキーだな…菓子パンでも齧って済まそうかと思ってたんですよ。夜は社長のパエリア食べられるし…」
「目黒お前も料理覚えたらどうだ。米倉さんに振り向いてもらえるかもだぞ」
目黒「う~ん、料理ですか……考えておきます。じゃあ、私こっちなんで…シャワー浴びて着替えたら伺いますね。」
「ああ、分かった用意しておくから。」
そう言って一度目黒と別れ、自室に戻る亮平。
シャワーを浴びて髭を当たり、部屋着に着替えてキッチンに立って薄焼き卵を焼き始めると、リビングテーブルに置いたスマホがメールの着信を知らせる。
「こんな朝早くメール?だれだ?いいか、用意終わってからで…」
錦糸卵を作り胡瓜を切ってそれを皿に盛り付け、梅干しの種を取って大根をおろしそれぞれを器に入れる。冷蔵庫からサラダチキンを取り出し割いて、胡瓜の横に並べる。
うどんをゆでるために大鍋に水を張りコンロにかけると、リビングに行きスマホを手に取る。
「メール井ノ上さんからか‥‥‥朝食の誘いって何て間の悪い…」
【井ノ上さんおはようございます。
折角のお誘いですが、もう用意してしまって……
よければ、井ノ上さんこちらにいらっしゃいませんか?
冷やしぶっかけ饂飩で良ければ、一緒に食べましょう。
もう少しすれば目黒も来ますので、来たら連絡しますが。
佐久間亮平】
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