「や、やりたいですっ!どんなことでも我慢するし…実力は同じなのに…男だから…女だから…と言われたくないんです!お願いします松井さん…」
松井選手の話は、栞の知識の外の話…嘘を上手く織り交ぜることで突拍子も無い話がさも凄い事に思えてくる。
松井選手の言うくすぐったさや恥ずかしさになれるということが、どんなものなのか…想像すらできない。
それでも松井選手の言葉…栞にとっては絶対的な意味を持つ。
もし仮に松井選手の指導に従い結果が出なければ、佐倉栞という選手はその程度の選手であることの証明…
親からは、女の子なんだから…男の子には勝てないから…野球は3年生になったら辞めるようにも言われ始めた。
僅かな練習で上達が結果として表れる松井選手の指導は最後の砦とも言える。
栞の負けん気…それさえも利用し煽る姑息て見事な企ては、確実に実を結びつつある。
真っ直ぐに松井選手の目を見据えた栞の目には決意が籠もっていた…
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