「そうですね…結構強いかも…自分ではグラブ捌きやミートするのは負けてないと思うんですけど…どうしても力では男の子たちちは敵わなくて…」
実戦練習に入り身体を動かした事で昨日のことも忘れたように松井選手からの問いかけにも素直に答えた。
「なんか昨日までより動けるっていうか…やっぱりあのマッサージが効いたのかもしれませんね…」
昨日のマッサージ…そのことに触れるとどうしてもお漏らししてしまったことを思い出してしまう…それでも松井選手が何もなかったように接してくれるおかげで何とかやれている状態…
松井選手の指導は、言葉は決して多くはないが、要所を確実についていて分かりやすい…何よりひとつのプレイに対して上手くできた時には褒めてくれる。
上手くなる実感もとても嬉しいことだったが、その褒め言葉が何よりのご褒美だった。
一通りの練習を終えると無造作にペットボトルを放り投げられる…またもや昨日のことが頭をよぎるが、もう昨日の事を忘れようと思う。そうすることが、あんなことがあったにも関わらず指導してくれる松井選手への恩返しになるのだから…
「身体のケア…はいっ…お願いします…」
筋肉を使ったあとに、使った時間の何倍かをかけて身体のケアをする…大事なことは3つ…毎日続けること、信頼できる相手に施してもらうこと…そして筋肉に直接触れ具合を見ること…
たった1日のマッサージでも目に見える効果があり、それの重要性は栞自身が1番感じている。
栞に気を遣ってくれたのか、スッと背中を向けた松井選手のすぐ後ろで栞はユニホームを躊躇うことなく脱ぎ捨てた。
「用意…できました…よろしくお願いします…」
松井選手が振り向いた先にはブラとパンツだけになった栞が立っていた…
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