「へぇ~そうなんですね…知りませんでした。トレーニングはやればやるだけ身になるものだと思っていました…それじゃあケア、お願いします…」
松井選手から聞く話は、これまでしんしていたトレーニングを否定するものばかりだ。
気合だ根性だと過酷なトレーニングを強いてきた監督やコーチ…あの指導は一体何だったのだろう…栞ぎ今伸び悩んでいるのは、本当のトレーニングを知らずにいた監督たちのせいじゃないかとさえ思えてしまう。
日本一…それどころか世界でも通用する松井選手の1言1言は実績がともなってはいるだけに深く栞に響いた。
ベンチに横になるようにと言われた栞たったが、そこに敷かれたバスタオルを見て、思わず松井選手の顔を見てしまう。
そのタオルはとてもレアなもので、欲しいと思うファンは大勢いて、ネットで買おうとしても中学生の栞には手の出せる代物ではなく…
そんな貴重なものの上にグラウンドの土で汚れたユニホームのまま横になるのは…
(ど、どうしよう…い、いいのかな…)
戸惑っていた栞だったが、松井選手は筋肉の状態も見たいからユニホームのズボンを脱ぐと言う…
「えっ?ズボンを…?」
ユニホームのズボンの下はスラパンを履いていないためパンツだけ…タオルをよごすのは気がひけるが、下着姿になるのはやはり恥ずかしい…
(でも…筋肉の状態を見るなら…仕方ない…よね…さっきは着替えもしちゃったし…松井選手が中学生の下着姿なんて別にどうも思わないだろうし…)
「は、はい…わ、分かりました…」
恥ずかしく思う気持ちを顔には出さないようにしてベルトを外しズボンを脱ぐと敷かれたタオルの上に横たわった…
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