勢いが先行した栞の返事は、喜びが勝って後先考えず口から飛び出したことが丸わかり。
憧れとはここまで少女を盲目にさせるのか。
夢、憧れ、理想…、少女にとっての男の存在はそれだけ崇高だと言う事はわかる。
しかし、その実は出会って二日の男と娘でしかない。
憧れが本当に憧れたままの存在だとは限らないことを知るには、少女は、栞はまだ幼すぎるのかもしれない。
「良いかい栞ちゃん。
嬉しいのはわかるけど…、無理しちゃいけない…。
本当はお母さんにも、お父さんにも、もちろん友達にも嘘なんてついちゃいけない。」
栞の返答の内容から、家族や友人に何かしらの誤魔化し、偽りを講じようとしているのは明確。
大人として、そして何より栞の憧れる存在として、ひとまずそこは正しておく必要がある。
その上で…、
「でもね…?
そこまでしてでも、俺の指導を受けたい…。
どんな練習でも、信じて頑張れるって言ってくれているのなら…、俺も「栞ちゃんの内緒」に付き合うよ。」
自分の我儘を知った上で、付き合ってくれる、相手をしてくれる理解のある大人を演じるのだ。
全体を通してみれば、男が欲求のままに少女を弄ぶために整えた舞台なのにもかかわらず、
憧れという純粋な感情を利用して、少女自身に後ろめたい事実を自分で作らせる。
卑劣…姑息…、少女を手玉に取り、弄ぶことに関しては、一級品な男の計画は進む。
「よし…何時までも話していても拉致が明かないね。
栞ちゃんの目指す、遠くにボールを飛ばせるバッターになる為に…、少しずつ頑張っていこうか。
さっきも言ったけど…、ともかくお尻が大事だ。
どういう体勢の時にお尻に力が入るのか…、抜けるのか、そう言う事は知っておく必要がある。
支えてあげるから、少し足を肩幅よりも広く開いて。
ゆっくりお尻を下ろしてみて…?スクワットってわかるかな…?
両手は頭の後ろに添えて、ゆっくり息を吐きながらお尻を後ろに突き出すようにして下げていくんだ。
そのまま膝を曲げてはダメ、ひざを痛めてしまうからね。
後ろの俺に向かってお尻を突き出すように、下げていくんだよ。
ちょうどいい位置に俺が手を構えて待っておくから、そこにお尻を押し付けに行くイメージだ。
できるかな…?」
そして始まる指導。
正しい説明の中に、不必要な卑猥な行為を織り交ぜる。
自ら尻を男の手に押し付ける…、そんな工程は本来必要ない。
しかし、序盤の説明が事実なだけに胡散臭さは皆無。
疑い、怪しむ余地はほとんどない。
※元投稿はこちら >>