(お、遅くなっちゃったっ…い、急がなきゃ…)
憧れの松井翔平選手に指導を仰ぐ機会…その奇跡的とも言える幸運に前夜はなかなか寝付けずに、いつの間にか眠ってしまったのが東の空が薄っすらと明るくなりかけた頃だった。
こんなことは小学校低学年の遠足の前以来…楽しみ過ぎて仕方なく遠足の比ではないほど気持ちが高ぶっていた。
母親との約束で午前中に3時間、宿題やらの勉強時間を取ることになっていて、約束の時間を少し過ぎてしまった。
松井翔平…誰もが知る日本一のプレイヤー…父親に連れられて行った球場での走攻守揃ったプレイに幼い栞は魅了され野球を始めた。
モノマネから始まったそれは、いつの間にか何よりも好きなモノになった。
同級生の女の子たちが、髪型やファッション、異性のことに夢中になっているなか、栞は男の子たちに混ざり白いボールを追っていた。
それを恥ずかしいとは思うどころか、上手く成ればなるほど野球にのめりこんだ。
小柄な身体を活かした軽快で俊敏な動きが強みではあったが、高学年になるにつれ、同級生の男の子たちとの体力差はなくなり、中学に入ってからは、男のたちに差を広げられつつある…このままじゃあ…そんな事に悩んでいた時、松井選手が地元で自主練の報を耳にした。
(ま、まさかホントに練習見てくれるなんて…)
栞は、Tシャツにショートパンツ姿で肩からは何時も練習の時に使うスポーツバック、バットケースを担ぎ松井選手の待つ球場へと小走りで向かった。
「ハァハァハァ…お、遅くなってすいません…」
息を整える間もなく頭を下げる栞…そんな栞に少し驚いたような顔で出迎えてくれた松井選手…
「は、はい…お母さんには…と、友達の家に行くと…その後で自主練するって…」
遅くなりました。
昼間は多分ほとんどレスできないと思います。
夜遅くになるかと…それも毎日とほ言い切れず…
こんな感じてすご、改めてよろしくお願いします。
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