真っ暗な外の世界。薄明かりに照らされた私の横顔。その境目に鏡のように私を映す窓ガラス。
ぼんやりと映るその姿を見ると、磨りガラスの向こう側から義父が見た透ける私の姿の妄想と重なる。
『おとうさん…きっと見てたんだよね…。』
こちら側から見えた隆起する股間の形が、その事実を私の中で確かなものと感じさせる。
『おとうさんに…あんな恥ずかしい姿を見せちゃうなんて…。』
今日一日の出来事が私の心を揺さぶり乱していく。
夫しか知らない私にとって、まるで見せつけるような義父の塊に衝撃を受けた事は間違いない。しかしたったそれだけのことで…これほどまでに乱されてしまう事が不思議でならなかった…。
まさか自分の中に淫らな部分が眠っていたなんて…。
まさか私が満たされない欲求を溜め込んでいたなんて…。
そんな事は考えたこともない。もちろんそんな事に気付くはずもなく、意識と身体が翻弄されていく…。
無意識に動き出した指先がパジャマのボタンを外し始める。
『なんで…!?私…何を…。何をしようとしてるの…!?』
ひとつひとつ外されていくボタン。襟元が開かれ、露わになった乳房がガラスに映る。
その瞬間…理性を失った私には、そのあと何があったのか…どう感じたのか…記憶の欠片も残らなかった…。
ただ…記憶の隅に残っていたのは…。ベランダからなにか物音がしたような気がしたことと、昨日は明るく照っていた月が見えなかったこと…。
翌朝、暗闇の夜が静かに目覚め始めた頃、全身に薄っすらと浮かぶ汗を感じ、まだ誰も目覚めていない間にシャワーを浴びた。
全身の汗の気持ち悪さもあったが、今まで感じたこともないほどの下着の汚れに違和感があった…。
『凄い…こんなにベットリ…。』
脱ぎ去った下着を洗濯機の中に放り込むと、身体の不快感を洗い流し少し早いと思いながらも朝食の支度を始めた…。
娘が起きた声が聞こえ、部屋から連れてくると間もなく義母が目覚めてきた。
「おはようございます…おかあさん。
今日は早く目覚めたからもう朝食できてますよ?」
私の言葉に気を良くしたのかいつも以上の笑顔を浮かべる義母。
少し早いながらも義母と娘と3人で朝食を摂っていると義父が…。
「あっ…おとうさん…。おはようございます…。」
勝手な妄想故に何も気を使う必要などないはずなのに、なぜか気まずさを感じ伏し目がちに挨拶を…。
「えっ…?そうなんですか?星空なんて…ホント…ロマンチストですね…。」
義母の言葉に無意識に相槌を打つように言葉を投げかけたものの…。
『昨日は月も…星なんて見えたのかな…。
えっ…!?ベランダで…!?
あの物音って…。まっ…まさか…。』
内心ハラハラしながら義父の表情を窺うように盗み見る私。
自分で自分を慰めるなんて…人に見せるものでもなければ知らせるべきでもない。
そもそも女性がそんな卑猥な事をすべきではない…。
知ってはいたものの行為に及ぼうと思ったこともなく、むしろ嫌悪すべき行為であったはずなのに…。
『最近の私…どうしちゃったんだろう…。』
自分でも信じられない自身の変化に戸惑いながらも、義父と何気なく視線が絡んだだけでもドキッとしてしまう…。
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