海斗くんの目を丸くした顔を見て、思わず溜息をこぼす
「はぁ、そうよ
こうしてちゃんと向かい合うのは久しぶりだけど、蒼汰の部屋に来たときとか、駅で顔を合わせて挨拶とかはしてるでしょ
『27歳の』海斗くん?」
相手が驚いていると、こちらは逆に落ち着く
考えてみれば、このことがばれて困るのは海斗くんも同じなのだ
むしろ、彼は未成年が使ってはいけないサイトで相手を募集したのだから、そちらの方が問題があるくらい
ここはお互いに口止めを約束して、このままお茶だけして解散するのがベスト、そう思った
とりあえず席につき、後ろで待っている店員に海斗くんの分のジュースと私のアイスティー、軽食を注文してから改めて向き合った
「海斗くんはさあ、彼女さんが何人かいるって蒼汰から聞いてるよ
ああいうサイトから相手を探す必要があるようには思えないんだけど?」
周りには聞き取れない程度の声量で話しはじめた
※元投稿はこちら >>