サキュバスの一族でかなりの高位に属しているイリムだったが、そんな生活に飽き飽きして無計画に魔界を飛び出した。
そこまでは良かったが無計画だった事が災いし、精力の補給もままならず弱り始めたところを運悪く魔獣の群れに囲まれ絶体絶命に陥る。
「だ、誰か…助けて…!」
そこへ疾風の如く現れ、瞬く間に魔獣を蹴散らした一人の女性。
突然の出来事に呆然とするが、その戦いぶりに目を奪われ思わず
「素敵…」
と胸の高鳴りを覚えてしまう。
やがて戦闘が終わり、声を掛けてきた女性に目を潤ませて答える。
「は、はい…危ないところを助けていただきありがとうございます。きゃっ!」
思わず見惚れていると、そのままお姫様だっこで抱え上げられ、驚きで小さく悲鳴をあげるも、その優しさに甘え彼女の首に手を回して体を密着させて身を任せる。
宿屋の一室に運び込まれ、食事まで提供してもらった事に恐縮し、自己紹介を始める」
「改めて危ないところを助けていただき、ありがとうございます。私、サキュバスのイリムです。
魔界から出てきたんですが、直接の戦闘が苦手なのと、しばらく精気を吸っていなくて力が出なくて…」
自己紹介と簡単に事情を説明しナオを見つめる視線には意味深な熱が込められ、無意識のうちにサキュバス特有のフェロモンを周囲に振りまく。
「あ、あの…ナオさんがよろしければ御礼させていただきたいのですが…」
※はい、よろしくお願いいたします❤
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