「…。」
黙って女の後に続いて歩いていく。
改めて説明を求めてはみたものの、当然か。
さっきまでいたのはただの待合室。
そんなところで治療内容や方法が語られるわけもない。
ましてや一般的な治療法でもない症状、その専門科、他の患者に見聞きさせるわけにもいかないだろう。
通されるのは余計な事…物を感じさせない、白…。
それは一見、心を穏やかにするようにも思える反面、儚げ。
そして、自身が覚悟を決めてこの病院へ赴いた理由を回想させるような、そんな場所に感じる。
少し手が震えているのか、少し強引に強く拳を握り心を落ち着かせるように振る舞う。
そんな最中、施錠された音にハッとしながらソファへの着座を指示されると、ゆっくりと歩みを進める。
周囲には行為後のケアに必要な道具…がそろっている。
より意識させられる、治療の内容。
やはり…。
そう思わざるを得ない。
少し緊張の面持ちで、腰を据えると柿原と名乗る看護師の言葉を待った。
【ありがとうございます。
どのような形で寝取りへと発展させていくか…。
あまりにも反応の薄いモノが、治療への技量不足を示唆しより過激、あるいは羞恥的な行為へと走らせる。
あるいは、容姿端麗な女からの彼氏の存在を聞き、僅かに生まれた嫉妬心から…。
ぱっと思い浮かぶのはそのあたりでしょうか。】
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