「…。」
小さく言葉をかけるとゆっくりと姿を見せる様子に、思わず生唾を飲み込む。
治療の準備とはいえ、一回り以上年齢も下であろう女の前に、自分だけが全裸を晒すような光景。
男自身、マゾ気質は持ち合わせてはいないものの、この非現実的な状況に興奮…に近い感覚は間違いなく感じていた。
触れられてもおらず、晒しているだけの状態に気づかず先端には先走りが粒を作っている。
事に気づいていたのは、千紘が先だったのか。
本来出番などないはずのティッシュで軽く拭われる。
シャワーを浴びたわけではない。
トイレに立ったのは数刻前の事。
ではなぜ…。
「あ…。」
千紘の所作で気づく男。
羞恥や罪悪が混じる感情を覚えながらも、咎めることなく対応する千紘に、やはり仕事としては自然なことなのか…、と特に何も口にはせず任せる。
そして剃毛。
シェーバーのモーター音。
刃先が苦手…と言う事で、剃毛すら依頼してしまったわけだが、電動のシェーバーなら刃という物に直面することはなかった。
事前に分かったこととはいえ、こちらが不安に感じることは何もなかったはず。
にも関わらず、次回からと多めに見てくれたのはやはり人柄…なのだろうか。
「ん…。」
電動と言う事もあり振動が伝わってくる。
もちろん、軽くではあるが添えられた千紘の手の感触も同時に感じられる。
僅かずつではあるが固さを持ち始めるモノ。
別に勃起不全なわけではない。
膣内での射精が困難だ、というだけなのだ。
人並みの刺激で固さを増すのは当然。
それが見知らぬ若い女性の手の中であれば当然。
「ふぅ…。」
僅かに残る理性が何とかそれ以上の反り返り、に抗おうとしている中で剃毛は終わった。
「あ、あぁ…ありがとう。
洗い流してくるよ…すぐ戻る。」
失礼のない程度に股間回りを洗い流し、全裸にローブを纏った姿で戻っていく。
感じているのは不安、罪悪…いや、期待…興奮か…。
当初の目的を時折忘れそうになるほどの、非日常的な空間。
男に何か変化は現れていくのだろうか。
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