「あ、あぁ…。ありがとう…。
こんな言い方が良いのか悪いのかわからないけど…、なんだか娘に叱られているような気持ちになったよ…。
お陰で少し気が楽になりました。ありがとう。」
ここへきて初めてか、少し柔らかい笑みを浮かべる男。
自身でも口にした通り、担当の、千紘の言葉掛けとその真剣な眼差しが、この行動を肯定してくれたことで、肩の荷が下りたようだった。
本来の男の様子を取りも出していく。
穏やかさ、気さくな雰囲気。
少し前向きに治療に臨もうと思えた反面、緊張と遠慮で感じていなかった感情も芽生え始めていた。
幼さの抜けきれない、少女と言われても過言ではない容姿の女を目に前にしている。
そして、その女がその柔らかい唇、唾液に塗れているであろう口内を使用して射精を促す、そう言っているのだから。
そして、説明の中に含まれている内容に前々から知っていた治療内容とは別に、新たに知る内容も…。
「治療の中断の是非、はこちら次第…。
それに、今回が初の業務…、他の男性との接触はない…って…。
失礼なことを聞くけど…。
君にだって彼氏がいるんじゃ…。」
その言葉の内側に含んでいるのは、彼氏との性行為への懸念。
仕事柄、治療内容は仮に目を瞑るにしても、その間の本来の相手との行為を阻害することになる。
大丈夫なのか…。
そんな懸念。
申し訳なさ…、そして同時に、治療という名の合法的且つ互いに合意の上での快感を、年端もゆかぬ少女と言って過言ではない女に与えられることになるという状況。
言い表しようのない興奮、背徳感を下腹部に感じ始めていた。
男が返した言葉は、了承というよりも疑問だった。
【彼氏に対して…ですか。
そうですね…、どの程度彼女の仕事の内容を許容しているのか、受け入れ切れているのか、は考えますね。
仮に風俗嬢をしていることを隠している女の子がいることはあったとしても、口淫を止められているとするならば、隠しきれないと思います。
もちろん、性行為における口淫を普段から嫌がる女性も少なからずいますが…。
最初に来るのは罪悪感…しかし、それも好意が始まってしまえば優越、あるいは愉悦に変わっていくのではないか、そう考えずにはいられませんね。】
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