「あ、あぁ…。こちらこそ、宜しくお願いします。」
場所を変え、改めて挨拶を交わす二人。
先ほどの待合室とは違い、二人きり、そしてここで治療、あるいは施術が行われる。
そう考えれば否が応でも意識してしまう。
ひとしきり、担当から治療内容、及びその原因になりうる要因についての説明がなされると、思い浮かぶのはここにやってくるに至る背景。
考えたくもない、ほぼ確定している妻の不倫。
しかしそれでもなお妻との子を授かりたい気持ちが強いことを自分の中に確認し、今日に至っている事。
「不倫…しているんです…ほぼ間違いなく…です。妻が…。
相手にも心当たりがある。
元々、頻度もそんなに少なくなかったんだ…。
互いの休みが合えばその前日にはほぼ毎回…。
相性も悪くない、そう思っていた。
でも、不倫しているかもしれない。
そんな気がかりが見え始めてから変わったしまったんだ。
勃ち…にくくなった、それが最初だったと思う。
今までは、今日は、という日は寝室に赴く前から準備出来ているくらいだったのに、
妻の不倫を疑うようになってしまってからは、どうにも鈍くなってしまって…。
もちろん、事が始まれば徐々に勃起はする。
快感を感じないわけじゃない。
でも…、イけなくなってしまった。
どれだけ突いても、突いてもイけない…そう言う感じじゃないんだ。
妻の奥を感じれば感じるほど、固さが鈍っていく。
普通は逆だろ…?
気持ちよくて、射精したくて固さは増していくはずなのに、その逆なんて…。」
年頃の娘の前で、あられもない夫婦の営み、頻度、程度までを口にする男。
いつしか、丁寧な口調ではなくなっていった。
それだけ余裕がない…と言う事を示している。
「妻は…、セックス自体は嫌いではないんだ。
したいという声には基本的に応えてくれた。
ただ、手や口を使ってくれたことは一度もない。
シンプルなセックスのみ…。
笑うかい…?
妻の不倫をほぼ確信していながら、諦めきれずこんなところへ来るおじさんを…。」
一通り話し終えると、少し気恥ずかしくなったのか、自虐交じりで苦笑いを浮かべる。
「最後に射精したのがいつかも…思い出せないよ…。」
その言葉を最後に少し俯いてしまう。
【なるほど…、少し見えた気がします。
というのも、妻の不倫を知りながらもそれでも自分たちの子を求めて治療を決意するような男が…というのが根底にあったものですから。
少しキャラクターの方向性というか、少し修正を加えながら描いていこうと思います。
戸惑い、遠慮、のような部分よりも、むしろ若くて綺麗な女性だと言う事に悦びや興奮、期待を感じ始めていくような変化を持たせつつ、もう少しで、等と言いながら徐々に変態的に求めていくような感じを想定しなおしています。】
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