「はぁ…」
重い溜息と共に家事をこなす。
良縁に恵まれ、結婚して家庭に収まったまでは良かった、主人は性格も良く稼ぎも悪くない、しかしとにかく夫婦の営みに対して淡泊過ぎた。
ごく稀に肌を重ねる機会があっても到底満足する事は出来なかった。
やむなく昂った肉体を自ら鎮める日々が続いている。
そんな爛れた日々のある時、干していた下着が無くなっていることに気づく。
最初は風で飛ばされたかと思い周囲を探したが見つけることはできず、下着だけが飛ばされるとも考え難く恐らく盗まれたのだろう。
気分が沈む出来事にゲンナリし気分を晴らす為に、つい自慰に耽ってしまいようやく家事を始めたところである。
ピンポーン
突然のチャイムに思わずビクリと体を震わせ、モニターを確認するが誰も居ない。
恐る恐るドアを開けて様子を伺うと写真がドアの前に置かれている。
「なにかしら…」
写真を拾い上げるとそこには女性の下着を巻き付けたペニスが写っており、思わず悲鳴と共に写真を落とす。
「ひっ!……な、な、なによこれ!」
震える手で写真を破り捨てようとしたが、ふとその下着が自分の物であると気付き戦慄する。
更に自分自身の卑猥な姿も確認すると体の震えが止まらず自分の体を抱きしめるようにして縮こまる。
「こ、こんなの…どうすれば…」
何者かに自分の痴態を見られた上、自慰に使われた事実に頭が真っ白になり動くこともできない。
同時にこれまで散々自慰に使用したシチュエーションが自分に起きている事に体の芯が熱くなっている事に驚愕する。
「ここに…連絡しろって言うの…」
写真の裏に書かれたメールアドレス、つまりはそこにメールをしろと言う犯人のメッセージであろう。
何とか落ち着きを取り戻すも、震える手で携帯から指定されたアドレスにメールを送る。
>どなたか存じ上げませんが、悪質な悪戯は止めてください!
>警察に届けますよ!
※ありがとうございます。
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