雪菜が抵抗すると袴田は「まぁそう来るよな」と思い苦笑いで、
「なぁに。アイツらを切るわけじゃない。アイツらに会った新しい仕事も用意してある。今のままグループをやっていくよりみんな幸せだろう」
そう言われると雪菜もグッと何も言えなくなり、
「グループアイドルもギャンブルみたいなもんだからな。この劇場を使う新しいグループのオーディションもやろうと話が出ている。新しいヤツらとシーズンズと比べて、そいつらより売れると断言できるか?負けたら全員仕事なくなるぞ?」
もはやぐぅの音も出ないほど逃げ道を塞がれているようである。
確かにこの事務所で過去に劇場で公演をしていたグループアイドルから、そこそこのタレントになっていっている先輩はいて、雪菜もそれに憧れていることもある。
「全員次の仕事があるなら」「自分がもっと売れるなら」と自分に言い聞かせるように解散を受け入れるしかなかった。
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