何故こんなにも見知らぬ男性からの指示に忠実に従ってしまうのだろう…。
過去に夫に何度となく頼まれた事も頑なに断り続けてきた私だったのに…。
あまりにもしつこく…あまりの熱量の懇願に『一度だけ…』と言う思いで仕方なく付き合うつもりだったのに…。
古くからの親しい友人にはもちろん…夫にすら自慰行為など意識の中に存在するはずもないと言うスタンスで過ごしてきたのに…。
もちろん、何度かは行為に及んだ事はあった。しかしながらそれは、決して他人には秘めて置かなければならない恥ずかしい行為だと思ってきた…。
『あなたに言われても…したことないのに…。なんで…?なんで私…今日はこんなに素直に従っちゃうの…!?』
自分でも行動の意図がわからないでいた。
自分自身の大胆さを信じられない思いで見つめるもう一人の自分が存在するかのような、心と身体が分離してしまったかのような不思議な感覚すらあった…。
「あっ…ダメ…。おっぱい…感じちゃう…。
イヤぁ…乳首…そんなに引っ張っちゃ…あぁ…乳首いい…乳首気持ちいい…。」
「もうダメ…おまんこ…あぁ…おまんこイキそう…。」
「こんなに拡げて…イヤぁ…おまんこの中…ダメぇ…イヤらしい穴の中…見られちゃう…。」
次々に上がるコメントに触発されたかのように、私自身も負けじと卑猥な言葉を口にしながらコメントに従い猥褻な行為に心を奪われていくようだった…。
「5回目…イキそうになりました…。」
その言葉に最後の指示をもってブースに戻れる許可が…。
「あぁ…美優の…何度もイキそうになったおまんこ…ご覧ください…。」
膣の中に差し込んだ指を左右に開いて、止め処なく蜜を溢れさせる割れ目の奥をスマホに擦りつけそうなほどに腰を突き出して晒しながら…。
「見て…。見て下さい…美優の…。美優のイヤらしいおまんこ…。
皆さんに…見られながら…オナニーして…何度も寸止させられて…イキたくて…疼いてるおまんこ…イヤらしい穴の中…舐めるように…見て下さい…。」
最後の指示に従うとライブ配信を止めて、ブースへと戻る。
その間に何人もの男性とすれ違い、驚いたような表情を見せる男性もいれば、ニヤニヤと見つめる男性、スマホと私を見比べるようにジロジロ見つめるもの…。
『絶対バレてる…。
サイトを見て来た人…きっと居るんだ…。』
恐れていたことが起きている…。
恐れていた…ではなく…求めていたのだろうか…。
ブースに戻り立ち竦む私の身体は小刻みに震えているものの、それは決して嫌な感じはしなかった。
恐怖や不安のそれではなく、むしろ昂りを覚える身体に心が戸惑いを感じるような…。
『あんなに大胆な事…私にもできるんだ…。』
昨日までは意識の外側にあったような無関係だと思っていた世界。
垣間見た途端、その魅力に惹き寄せられるように溺れ始めてしまっていた…。
『あぁ…イキたい…イケなくて…おかしくなりそう…。』
度重なる寸止め指示に身体は限界を迎えようとしていた。
『でも…。でもこんなにイキそうになるなんて…。私…ホント…どうしちゃったんだろう…。』
夫との営みの中でもイッた事は数える程しかなく、言ってみれば本当の悦びを知らずに生きてきたのかもしれない。
それ故に…性を楽しめていなかった事が、夫からの望みを拒み続けてきた理由なのか…。
『こっ…ここで…。今…オナニーしたら…。』
そう思いながらも心を奪われてしまったかのように指示されていない自慰行為を決断できずにいるほど、サイトの世界に嵌ってしまったのかもしれない…。
『えっ…!?アダルトコーナーに…!?』
今までと違いライブ配信をしていたおかげで報告する必要はなかった。
数々の卑猥で歓喜に昂るコメントの中に、新たな指示が記されていた…。
『そんな…。そんなところにこんな格好で…。』
どう考えてもアダルトコーナーには男性しかいないだろう…。
しかも欲望に満ち溢れた獣のような男性というイメージ…。
『そんな男の人達の中に私一人…こんな格好で入ったら…。』
考えただけでも身体がブルッと震える。
しかも指示では痴漢されても拒むことは許されない…。
誰に触られても拒否する事はできない…。
『私…どうなっちゃうの…?』
壁越しに隣の夫が居るであろうブースに視線を投げかける。
メールを送るか迷った私。
サイトに指示コメントが上がってから暫く…夫からのメールが届く様子はない…。
メールを送り考えを確かめようとも、そのまま続けろと言われるのならば…。
確認しないままに指示に従う…。
そう考えたのは…引き止められる事を恐れたのかもしれない…。
この先に待ち受ける快楽…心と身体がそれを望んでしまうほどに焦らされてしまったのか…。
「私…痴漢されちゃうかもよ…?」
声が隣のブースの夫に届くのかわからない…。それでも口に出した言葉…。
静かに扉を開くと通路を歩きアダルトコーナーへと向かう。
その途中でも何人かの男性と遭遇してしまう。
単なる偶然に思える男性もいれば、確実に待ち伏せしていたような男性も…。
『きっとあの人は…サイトを見て集まった人…。』
今までの状況を把握した男性からは容赦ない責めがある事はわかっていた。
それを理解していながらもアダルトコーナーに向かう私は、完全に快楽を求める程に淫らな世界に溺れ始めてしまったのだろうか…。
妖しげな暖簾をくぐり、欲望が溢れる空間に足を踏み入れる…。
辺りから瞬時に向けられる視線。
それに気づかないふりで雑誌が並ぶコーナーに向かうと、一冊の雑誌を手に取り視線を落とす…。
『凄い…見られてるよ…。そうだよね…こんなところでこんな格好…見られて当たり前だよ…。』
雑誌に視線を落としながらも意識はそこには向いていなかった。
背後から突き刺さるような刺激を感じながら10分が過ぎ去るのを待つ…。
『えっ…!?今…お尻触れた…!?』
背後を通り過ぎる瞬間、サワっと触れていかれたような感覚がワンピース越しに伝わってくる…。
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