「山下!またクレームなの…ハァ…そろそろこのくらいの処理は、キチンとしてくれないと」
山下くんから受け取った書類に目をやると
「向井くん、ちょっと来てくれる。」山下くんの2年上の社員を呼ぶ。
「山下がいつまでもう同じ部分で間違うの。向井くんが教えてあげてくれるかな。」
「山下…こっち、来てと」
向井くんは、山下くんを連れて自席に向かう。
パソコンのモニターを見せながら、説明していく。
そしてひと通り説明すると、
「課長、部長に認められて会社初の女性管理職で張り切ってるから、ちょっとうるさいんだよ。こんな簡単な書類は間違うなよ。女は雑用やお茶出しとかしてれば良いのに…むかつくわ。」
無口で仕事はキチンとこなすけど、徹底的に女を卑下している向井。
「山下は、先方な謝罪の電話しておきなさい?出来るよね、それは?」
ときつい口調で言ってしまう。
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