「うん、二人とも診断結果を言ってるんだけど…やっぱ女としか見れないらしい(笑)
まあ仕方ないと思う。見た目はこんな感じだし。胸も大きくて声も高いし、スカートも穿いてるしねw
でもある程度理解はあるみたいでさ、以前よりかは男っぽく接してるよw」
智樹だけでなく父へ対してもちゃんと診断結果を伝えている様だ。
家族だから当然かもしれないが、場合によっては父にだけは伝えないというケースもあるだろう。しかし有砂はそういう事はなく、オープンな様だ。
しかし、深刻とまではいかないが、有砂としてはそれなりに自身のセクシャリティーに悩んでいる様に見える。
「もっと男として見てほしい」「スカートを捲ったらいいじゃん」「どうしてパンツが見える事を注意するの?」
自然で気丈に振る舞う少女?もそれなりに悩んでいるのだろう。
「本当の…私?…
……確かに…手術していきなり男になったとしても…私は上手く出来ないかもしれない…
一応女として生きてきた私が男になったとして……いきなり男として適応する事は……難しいかも…」
貴方の話を聞いていく中、有砂の表情は徐々に神妙なものへ変わっていく…
性転換手術。
それさえすれば解決出来ると思っていた少女にとってそれは寝耳に水といったものだった。
「………」
貴方の話が響いたのか、目を泳がせながら俯き気味の有砂。
「…そうなんだね…
確かに、私とおんなじだね?w
…私もさ、家族…特にお父さんに言うのは…凄く勇気がいったんだ。
引かれたらどうしよう?娘として生まれてきたのに実は男で…がっかりされたらどうしよう?… 見る目が変わったらどうしよう?…
智樹も…
今まで親友として仲良くしてきてさ?実は男だったとわかったら……絶交されるんじゃないかって…そう思ったんだ。
でもね?…
二人とも…何も変わらなかった!w
そりゃ驚いてたし動揺したよ?
でもね?…「有砂は有砂だろ?」って、言ってくれたんだ!
ハハッw 嬉しかった(笑)」
智樹と父に関する経緯を自ら話し出す有砂。
歓喜した事を打ち明かしていく…
どこか涙目に見える。
余程嬉しかったのだろう…
「へえ~…そうなんだ……我慢、かあ…」
感傷に浸りながらも、貴方の告白をしっかりと聞いている有砂。
やはり優しい子。
「よく盗撮で捕まった男の人のニュース見るからさ、よっぽど見たいんだろうなって思ってたんだけど…
でもね?
スカートって、場合によっては中が見えちゃうものじゃん?
それを穿く方にもリスクはあると思うんだ。
えっと…パンツを見られたくないんだったら…スカートを穿かなきゃいいと思うんだ。」
正論…
理論的には。
「だからさ…う~ん…どう言ったらいいんだろ…
盗撮した男の人だけが悪いのかなって…」
…
「そういう服装を選んだ方にも…問題がある様な…ない様な…
う~ん…イマイチ上手く説明できない(笑)
まあ要は、お互いに問題がある…って事かな!
ハハッw 変だよね私(笑)
少数派の意見w」
【靴紐のシーンはかなり昂りました(笑)…
一気に振り切れる様な。
わかっておられると思いますが、結末的には切ないものになるかと思います。
ですが儚い故に一瞬一瞬を大切にしたストーリーを送れればと思っています。】
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