「素敵な考え方だと思う。
負担は分け合う、喜びは分かち合うっていうのかな。」
感心する男。
しかし、その考え方はどちらかというと男寄りのような、そんな感じを覚えていた。
自律した考え方。
いい意味で依存しすぎないことの重要性も理解している。
今どこの学生には珍しいほど、考え方がしっかりしていると感じていた。
なのに…、大事な部分で少し無防備…それでいいのだろうか。
そこに感じるギャップ。
トランスジェンダー、男であるという感覚が本来の自分である意志がそうさせるのだろうか。
踏み込んで問いかけた言葉に一瞬、沈黙が流れる。
間違えたのか…、男は早すぎたと後悔しそうになっていた次の瞬間。
笑いながら肯定的な反応を見せる有砂。
最も警戒すべき、犯罪行為を想像させる流れ。
それが回避できそうだと言う事が男にとっては会心。
後は上手く、正当性を絡めて少女を羞恥行為に促していく…だけ。
男は思わず生唾を飲み込む。
「心が感じていることを、どういう行為に至っても同じかどうかを確認できることって重要だと思うからね…。
女の子同士じゃあまり意味のないことだし…、かといって、男友達に…智樹君…だっけ?
彼みたいな近しい友達にお願いするのも少し気後れするだろう?
ちょうどいい機会かもしれないね…?
結果的に、誰かに負担、を感じさせる行為になってしまう可能性だってあるから…。」
ここへきて見せる卑劣な男の言葉。
誰かに負担を掛けたくない、そう思っている有砂の価値観をうまく利用するように、
トランスジェンダーとして、自分でもグレーだという有砂の心を揺らした。
いずれは、本当にそうなのかを確認する必要はありそうだという自覚。
しかし、曖昧な状況に誰かを巻き込む可能性は、負担を強いることになる可能性を示唆している。
頭の良い有砂なら、きっとそうとらえるはず。
「順番に試してみようか。
まずは自然な感じで…、そのまま膝を少し開いてみよう。
スカートもそんなに長くないから…、膝を開いて片足をベッドの上に上げれば…、子の角度なら見えるんじゃないかな…。」
床に座った男の視線は、有砂の膝のあたりにあることを伝え、少しずつ変態的な行為への足掛かりとしていく。
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