「? (ペコッ…)」
急に話しかけられた少女はキョトンとした顔で振り向き、貴方と目が合うと懐疑的な表情で軽く会釈をした。
「斎藤…さん?… ○○しゅっぱんしゃ…えいぎょう?…」
学生にはまだ早く、珍しい紙切れ、名刺を貰い、不思議そうに読み上げていく。
「え…聞いてたんですか?…そんなに大きな声で喋ってなかったんですけど…え……」
聞いていた事を知ると表情は途端に曇り、眉間に皺が寄る。
所謂、不審者を見る時の表情である…
「う、うわ!恥ず!!(笑)」
?
またすぐさま表情が変わり、口角が上がりえくぼが浮かび上がる少女。
男子の様な口調で突拍子に声を上げた。
どうやら貴方を怪しんでいる訳ではなく、友達同士の話を聞かれていた事に恥ずかしさを感じている様。
その姿はどう見ても女子といった感じ。
「すいません(笑)友達との話をなんで知ってるんだろ?って。
私結構大きな声で喋ってるらしくて…今日も聞こえちゃってたんですね(笑)
…あ、そうです。私ちょっと変わってるみたいで…トランスジェンダーって知ってますか?それなんです。」
活発な性格らしい。確かに男子の様な雰囲気もある。
しかし声質は高く、女子そのもの。寧ろかなり可愛い声をしている。
先ほどの話も信ぴょう性が増していく…
「どんな事に?… どんな気持ち?…」
真顔になる…
踏み込み過ぎたのか。
揶揄っているとも取れる質問…
「…あ、うんうん!周りの理解も増えてきたんだ!
日本での知名度も上がってきたんだよね!そうそう!…」
世の風潮を出されるとまた途端に笑みが浮かぶ少女。またえくぼが…
やや怪しんではいる様だが、嫌悪感が抱いていない様…
しかし…綺麗な顔立ちをしている…
語弊がある言い方をするなら、男としてはもったいない…と言える容姿。
白ブラウスを押し上げる大き目の胸… すらりと伸びた綺麗な手足… ふわりと靡く制服スカート…
女として生きていくべきでは…そう感じさせる程。
「はい!いいですよ!あ、私…ありさって言います!…」
これが、貴方にとって生涯忘れられない女(男)になる…有砂との最初の出会いだった……
[お答え、書き出しありがとうございます。
何れにせよ、楽しいものに出来ればと思っています。よろしくお願いします。]
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