【認識の違いがあるかもしれませんが、有砂さんはどんな女性でもいいと思っています。
無責任な言い方をするつもりはないです。
綺麗、を何とするかにもよりますが、
変な話、自分を男だと思っているなら、ある程度の事を軽くやっていてもおかしくないと思う部分もあるので。
女を意識させられる、挿入行為は仮になかったとしても、それ以外の行為なら少し軽く考えて至っていてもおかしくはないかなと感じています。
もちろん、ただただシンプルに純粋な少女であることもそれはそれで素敵だとは思うので。
そう言う意味で、どんな女性でもいい、とさせていただきました。】
「あの…、ちょっといいかな…?
ごめんね、盗み聞ぎするつもりはなかったんだけど…話し、聞こえちゃって…。」
智樹と分かれるタイミングを見計らったように、男は有砂に声を掛けた。
声を掛けるのが先になってしまったことに、ハッとし、肩掛けの鞄の中を弄りながら
「あ、ごめん、怪しいものじゃなくて…。
斎藤って言います…。」
取り出したのは名刺。
肩書はどこぞの出版社の営業と記載されていた。
「嫌な言い方に聞こえたらごめんね。
男だって思ってる、女の子…、どういう子なのかなって。
どういうことにどんな気持ちが芽生えているのかなっていうのが純粋に気になっちゃってね…。
良かったら少し話を聞かせてもらえたら…って思って、思わず声を掛けちゃったんだけど…。
ほ、ほら…、今って、性別の境界を取り払っていこう、みたいな国も増えてきているじゃない…?
日本もいずれは…、みたいなところもあるからさ。」
勢いで話しかけてしまったことで、支離滅裂な言葉の数々。
自分の娘にでもこんな口調で話すのだろうか、と思う程、ちらちら有砂の反応を伺うように見つめては、話をつづけた。
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