徳山さんは宅澤の卑劣な思いを気付いていない。
感付かれないように宅澤は、私をおだてる様に会話を続けた。
宅澤「最初に見た時はモデルかアイドルの撮影かと思ったほどですからね。
そんな人と付き合える彼氏さんって、なんて羨ましい」
酷い事をしておきながら、そんな事を言える宅澤・・・。
高校生時代の鬼畜な印象を思い出している。
宅澤「いつ頃からお付き合いしてるんです?彼氏の職業は??」
矢継ぎ早の質問に困ってしまう・・・自分の弱点になるであろう情報を
晒さなければならない状況に顔色は更に青ざめた。
それでも、食いつく様に質問しようとしたところ・・・
徳山「こらこら、そんなプライベートなことを根掘り葉掘り聞くもんじゃないよ」
若い同僚がおだてられている状況が微笑ましく思えたのか、徳山さんから穏やかに注意が入る。
宅澤「ああ、そうですよね。すみません、調子に乗っちゃってw」
徳山「まあ、ちさとちゃんは可愛いし気持ちは分からんでもないからなw」
そんな宅澤を徳山さんには気に入った様で、すっかりと打ち解けてしまい
宅澤との雑談は交番まで続いた・・・。
宅澤「勤務中だったのにすみません、雑談にまで付き合ってもらって」
徳山さん「いやあ、気にしないで、またいつでも来なさい」
にこやかに答えた徳山さんは、私の気持ちなど気付いていない。
それを聞いて、慌てて否定しようとするが・・・
宅澤「本当ですか!?ありがとうございます、また伺いますね」
間伐入れずに答え、私を見てニヤリと笑った・・・。
尚も浮かない顔の私を気にも留めず交番を後にした。
―その夜―
🎵・・・(スマホの呼出音)
ちさと(こんな時間に・・・なんだろう?)
「はい、もりたかです・・・」
宅澤「付き合ってる彼氏が居るらしいじゃないか?
徳山ってじいさんが邪魔で聞けなかったが、いろいろ教えて貰おうか?w」
宅澤からの電話だった、昼間に脅されて知られたスマホのナンバー。
ちさと「こ、浩二さんには関係無いでしょ・・・は!」
宅澤「浩二って言うんだ・・・」
宅澤の思っている事がわかる気がする・・・きっと、立ち直った私が
気に入らないのだ・・・。
そして、その原因を知りたがっている・・・。
私を破滅させる為に・・・。
※元投稿はこちら >>